第103回 看護師国家試験 午後 問47 解説
📝 問題
Aさん(26歳、男性)は、大量服薬による急性中毒が疑われ、午後9時30分に救急搬送された。呼吸状態と循環動態に異常はないが、意識は低下している。付き添って来たAさんの母親は「午後8時に夕食を終えて息子は部屋に戻りました。午後9時にお風呂へ入るよう声をかけに部屋に行ったら、倒れていたんです。息子はうつ病で通院中でしたが、最近は症状が落ち着いていました」と話す。 このときの対応で適切なのはどれか。
✅ 正解
4
💡 解説
✅ 呼吸と循環が保たれている急性中毒では、まず何を飲んだのかを付き添いの家族に確認する。
急性中毒の対応は、まず呼吸と循環を確かめ、次に何をどれだけ飲んだのかを明らかにする順で進む。Aさんは呼吸状態と循環動態に異常がないので、次に必要なのは原因となった薬の特定である。 薬の種類が分かれば解毒薬の要否やこれから出る症状を予測できる。本人の意識が低下している以上、聞ける相手は付き添っている母親になる。
他の選択肢は、必要のない処置か危険な処置である。 呼吸状態が保たれているAさんに気管内挿管は必要ない。 咽頭を刺激して吐かせる方法は、意識が低下した人では吐いたものを気管に吸い込む誤嚥の危険が大きい。 胃酸分泌抑制薬は胃酸を抑える薬で、飲み込んだ薬を体の外へ出す働きはない。
- 1
気管内挿管を行う。不正解
気管内挿管は自力で気道を保てないときの処置で、呼吸状態に異常のないAさんには行わない。
- 2
咽頭を刺激して吐かせる。不正解
咽頭を刺激して吐かせる方法は誤嚥の危険が大きく、意識が低下した人には行わない。
- 3
胃酸分泌抑制薬を投与する。不正解
胃酸分泌抑制薬は胃酸の分泌を抑える薬で、飲み込んだ薬を体外へ出す働きはない。
- 4
Aさんの母親にどんな薬を内服していたかを尋ねる。正解
飲んだ薬が分かれば解毒薬の選択やこれから出る症状の予測ができる。本人の意識が低下しているので、付き添いの母親に確認する。
📚 まず何をするか
急性中毒は、体から薬を出す方法と、それが間に合う時間を組にして問われる。どの処置がいつまで有効かを時間とセットで覚えよう。
- 胃洗浄が有効なのは服用から1時間以内が目安で、意識が低下しているときは気道を確保してから行う。
- 活性炭は薬を吸着して吸収を抑える。鉄・リチウム・アルコール類には効かない。
- 吐かせる催吐は誤嚥や食道の損傷を招くため、現在は原則として行わない。体から出す方法は胃洗浄と活性炭の2つと覚える。
参考: 急性中毒の初期対応(救急看護の教科書)
出典:「第103回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について