第103回 看護師国家試験 午後 問44 解説
📝 問題
気管内挿管中の患者の体位ドレナージの実施について適切なのはどれか。
✅ 正解
1
💡 解説
✅ 気管内挿管中の体位ドレナージでは、実施の前後に気管内吸引を行う。
体位ドレナージは、痰がたまっている部分を上(高い位置)にして、重力で太い気道へ移動させる方法である。
気管内挿管中の患者は、自分の力で痰を出せない。 始める前に気管内吸引をしておくと、動いた痰が気道をふさぐのを防げる。 終わったあとにも吸引し、中枢へ移動してきた痰を取り除く。
残る3つは、順番と適応を取り違えている。 吸入療法(ネブライザーによる加湿や去痰薬)は、痰をやわらかくしてから動かすため体位ドレナージより前に行う。 自力で体位を変えられる患者でも、排痰が必要なら行う。 創部ドレーンが入っていても、抜けや折れ曲がりに注意すれば実施できる。
- 1
実施前後に気管内吸引を行う。正解
実施前の吸引で痰による気道の閉塞を防ぎ、実施後の吸引で中枢へ移動してきた痰を取り除く。
- 2
体位ドレナージ後に吸入療法を行う。不正解
吸入療法は体位ドレナージの前に行う。加湿や去痰薬で痰をやわらかくしてから動かすほうが出しやすい。
- 3
自分で体位変換できる患者には行わない。不正解
自力で体位を変えられる患者でも、痰がたまっていれば行う。看護師は排痰しやすい体位と時間を一緒に確かめる。
- 4
創部ドレーンが挿入されている場合は禁忌である。不正解
創部ドレーンは体位ドレナージを妨げない。抜けや折れ曲がり、逆流が起きないように固定と流出を確かめながら実施する。
📚 ここも一緒におさえておこう
体位ドレナージは、実施前後の手当てと中止の目安が問われる。痰は「やわらかくする→動かす→取り除く」の順で扱う、と覚えよう。 実施中に動脈血酸素飽和度の低下や呼吸困難、不整脈がみられたら中止する。
- 実施の前に、加湿と水分で痰をやわらかくしておく
- 1つの体位につき5〜15分を目安にする
- 嘔吐や誤嚥を避けるため、食後1〜2時間は行わない
参考: 系統看護学講座 基礎看護学 基礎看護技術
出典:「第103回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について