第103回 看護師国家試験 午後 問15 解説
📝 問題
ウイルスが原因で発症するのはどれか。
✅ 正解
4
💡 解説
✅ ウイルスが原因で起こるのは成人T細胞白血病である。
成人T細胞白血病は、HTLV-1というウイルスがリンパ球の一種であるT細胞に感染して起こる血液の癌である。 感染しても発症するのはごく一部で、感染から発症までに数十年かかる。発症は40歳以降に多い。
主な感染経路は母乳を介した母子感染で、ほかに性行為や輸血がある。 日本では九州・沖縄に感染者が多いが、人の移動により全国へ広がっている。 現在は妊婦健康診査でHTLV-1抗体検査が行われ、陽性なら授乳の方法を相談して母子感染を減らしている。
HTLV-1とは
ヒトT細胞白血病ウイルス1型。リンパ球のT細胞に感染し、長い年月を経て一部の人に成人T細胞白血病を起こす。
- 1
血友病不正解
血友病は血液を固める凝固因子が生まれつき足りない病気で、遺伝によって起こる。ウイルスは関係しない。
- 2
鉄欠乏性貧血不正解
鉄欠乏性貧血は、出血や偏った食事、月経などで鉄が足りなくなって起こる。ヘモグロビンをつくる材料が不足した状態である。
- 3
再生不良性貧血不正解
再生不良性貧血は骨髄で血液がつくれなくなる病気で、多くは原因が分からない。薬や放射線が引き金になることもある。
- 4
成人T細胞白血病〈ATL〉正解
HTLV-1がT細胞に感染して起こる血液の癌で、母乳を介した母子感染が主な経路である。
📚 国試でよく狙われるところ
癌のなかには、感染が原因になるものがある。本問のHTLV-1と同じように、病原体と病名を対にして問われる。
| 病原体 | 主な癌 |
|---|---|
| B型・C型肝炎ウイルス | 肝細胞癌 |
| ヒトパピローマウイルス(HPV) | 子宮頸癌 |
| EBウイルス | 上咽頭癌、バーキットリンパ腫 |
| ヘリコバクター・ピロリ | 胃癌 |
参考: 厚生労働省「HTLV-1総合対策」/系統看護学講座「成人看護学 血液・造血器」
出典:「第103回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について