第103回 看護師国家試験 午後 問115 解説

状況設定在宅看護論✔ 監修済み

📝 問題

次の文を読み115〜117の問いに答えよ。Aちゃん(2歳4か月、女児)は、母と会社員の父と3人で暮らしている。Aちゃんは、脳性麻痺で寝たきりのため全介助で在宅療養をしていた。3か月前に、誤嚥性肺炎を発症して緊急入院し、気管切開をして人工呼吸器を装着した。現在、呼吸状態は安定しているが、啼泣時に気道閉塞があるため、夜間のみ人工呼吸器で呼吸管理を継続することになった。Aちゃんは自宅に戻って訪問看護を利用する予定である。身体障害者手帳(肢体不自由1級)を所持している。 Aちゃんの家族に必要な人工呼吸器による呼吸管理の指導の内容について適切なのはどれか。

✅ 正解

4

💡 解説

✅ 気管カニューレが抜けたときは、家族がすぐに新しいカニューレを入れ直せるようにしておく。

気管切開をしている子どもでは、気管カニューレが抜けると気道がふさがり、短時間で呼吸ができなくなる。Aちゃんは2歳4か月で動きも予測しにくく、抜けることを前提に備えておく必要がある。

そこで家族には、予備のカニューレを手元に置き、抜けたらすぐに入れ直す手技を、退院前に繰り返し練習してもらう。入れられないときは用手換気に切り替えて救急要請する。

残る3つは、いずれも危険につながる指導である。

用手換気とは

バッグバルブマスクなどを手で押して肺に空気を送り込むこと。人工呼吸器が使えないときの代わりになる。

  • 1

    アラーム音は即座に消音する。不正解

    逆。アラームは異常を知らせる合図なので、まずAちゃんの呼吸と顔色、回路の外れや詰まりを確かめる。消音するのは原因を確認したあと。

  • 2

    人工呼吸器の設定は変更してもよい。不正解

    人工呼吸器の設定は医師が指示するもので、家族が変えれば必要な換気量が得られなくなる。家族が行うのは回路の接続の確認や加湿器の水の交換まで。

  • 3

    加湿器の滅菌蒸留水は2日ごとに交換する。不正解

    加湿器の滅菌蒸留水は毎日新しいものに交換する。継ぎ足すと細菌が増え、肺炎の原因になる。

  • 4

    気管カニューレ抜去時は新しいものを挿入する。正解

    抜けたまま放置すれば気道が閉じてしまうため、予備のカニューレを入れ直す。手技は退院前に家族が実際に行い、できることを確認しておく。

📚 国試でよく狙われるところ

在宅人工呼吸療法は、家族が「してよいこと」と「してはいけないこと」の線引きで問われる。命に直結する備えは家族、機器の設定は医師と覚えよう。

  • 停電に備えて予備のバッテリーを確保し、停電時の連絡先を家族と決めておく
  • 回路が外れたり詰まったりしたときのために、バッグバルブマスクを枕元に置く
  • 予備の気管カニューレ・吸引器・吸引カテーテルは、いつでも手の届く場所にそろえておく

参考: 標準的な在宅看護論(在宅人工呼吸療法)/標準的な小児看護学(気管切開の管理)

出典:「第103回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について

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