第103回 看護師国家試験 午前 問49 解説
📝 問題
術後合併症で術前の喫煙と最も関連が強いのはどれか。
✅ 正解
3
💡 解説
✅ 術前の喫煙と最も関連が強い術後合併症は、手術部位感染である。
たばこの煙に含まれる一酸化炭素は、酸素を運ぶヘモグロビンと先に結びついてしまう。ニコチンは血管を縮める。 どちらも傷口へ届く酸素を減らすので、傷が治りにくく、細菌への抵抗力も落ちる。 酸素の足りない創では細菌を抑えきれず、手術部位感染(SSI)が起こりやすくなる。
他の3つは、喫煙以外に主な原因がある。
SSI〈エスエスアイ〉とは
手術した部位に起こる感染。皮膚の傷だけでなく、手術で操作した体の奥にできるものも含む。
- 1
尿閉不正解
尿閉は、麻酔や鎮痛薬の影響、寝たままの姿勢、前立腺肥大などで起こる。喫煙が主な原因ではない。
- 2
イレウス不正解
イレウスの主な原因は、開腹操作による腸の動きの停滞や、術後の癒着である。
- 3
手術部位感染正解
喫煙は傷口へ届く酸素を減らす。創が治りにくくなるうえ細菌への抵抗力も落ちるので、手術した部位の感染が増える。
- 4
ダンピング症候群不正解
ダンピング症候群は、胃を切除して食べ物が急に小腸へ流れ込むことで起こる。胃の手術に特有で、喫煙とは結びつかない。
📚 国試でよく狙われるところ
喫煙は「いつまでにやめるか」と「どの合併症と結びつくか」で問われる。期間と合併症を対にして覚えよう。 予定手術では、術前4週間以上の禁煙が勧められている。 増えるのは手術部位感染だけではない。無気肺や肺炎といった呼吸器の合併症も起こりやすいので、術前から深呼吸と痰の出し方を練習しておく。
参考: 日本麻酔科学会「周術期禁煙ガイドライン」/系統看護学講座 成人看護学 周術期看護
出典:「第103回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について