第103回 看護師国家試験 午前 問30 解説
📝 問題
左心室の収縮力を抑制するのはどれか。
✅ 正解
2
💡 解説
✅ 左心室の収縮力を抑制するのはβ遮断薬である。
β遮断薬は、心臓にあるβ1受容体で交感神経のはたらきをさえぎる薬である。 心拍数と収縮力がともに下がり、心臓が使う酸素の量が減る。狭心症・心不全・高血圧に使われる。
心不全では少量から始めてゆっくり増やす。急にやめると症状が悪くなるため、自分の判断で中止しないよう患者に説明する。
β1受容体とは
心臓にあって交感神経の刺激を受け取るスイッチ。ここが働くと心拍数が増え、収縮する力が強まる。
- 1
アンジオテンシンⅡ受容体拮抗薬不正解
血管を縮める物質のはたらきをさえぎって血管を広げる薬である。血圧は下がるが、心臓の収縮力を直接弱めるものではない。
- 2
β遮断薬正解
心臓のβ1受容体で交感神経のはたらきをさえぎり、心拍数と収縮力をともに下げる。
- 3
硝酸薬不正解
静脈と冠動脈を広げて心臓に戻る血液を減らし、狭心症の発作を和らげる薬である。
- 4
利尿薬不正解
腎臓から水と塩分を出して体にたまった水分を減らす薬である。むくみと血圧を下げる。
📚 国試でよく狙われるところ
循環器の薬は「心臓に効くもの」と「血管に効くもの」を入れ替えて問われる。効く場所と、そこで出る副作用を対にして覚えよう。
| 薬 | 主なはたらき | 注意すること |
|---|---|---|
| β遮断薬 | 心拍数と収縮力を下げ、心臓の負担を減らす | 気管支が狭くなるため喘息では慎重に。急に中止しない |
| アンジオテンシンⅡ受容体拮抗薬 | 血管を広げて血圧を下げる | 血清カリウムが上がることがある |
| 硝酸薬 | 静脈と冠動脈を広げ、狭心症の発作を抑える | 頭痛や血圧低下が起こりやすい |
| 利尿薬 | 水と塩分を出してむくみと血圧を下げる | 脱水と低カリウム血症に注意する |
参考: 系統看護学講座 疾病の成り立ちと回復の促進 薬理学/日本循環器学会 急性・慢性心不全診療ガイドライン
出典:「第103回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について