第103回 看護師国家試験 午前 問23 解説
📝 問題
高齢者の転倒による骨折が最も多い部位はどれか。
✅ 正解
5
💡 解説
✅ 高齢者の転倒による骨折で最も多いのは大腿骨である。
高齢者が転んで折れやすいのは大腿骨、なかでも股関節に近い大腿骨近位部である。体重を支える部分に力が集中するうえ、骨粗鬆症で骨がもろくなっているためである。
折れると立てず歩けなくなり、寝たきりや廃用症候群につながる。早く手術をして、できるだけ早く起きて歩く練習を始めるのが原則である。
廃用症候群とは
動かない時間が続くことで、筋力・関節の動き・心肺の力が落ちること。高齢者では数日の安静でも進む。
- 1
頭蓋骨不正解
転倒で頭を打つことはあるが、骨が厚く折れにくい。問題になるのは骨よりも頭の中の出血である。
- 2
肩甲骨不正解
厚い筋肉に包まれていて外からの力が伝わりにくく、折れることは少ない。
- 3
肋骨不正解
胸や脇腹を強く打ったときに折れる骨で、高齢者では咳だけで折れることもある。転倒による骨折では大腿骨のほうがはるかに多い。
- 4
尾骨不正解
しりもちをついたときに打ちやすい部位。強い痛みが出るが、折れる頻度は大腿骨に及ばない。
- 5
大腿骨正解
股関節に近い大腿骨近位部が、横向きに転んだときに最も折れやすい。
📚 ここも一緒におさえておこう
高齢者の骨折は、部位と転び方の組合せで問われる。折れやすい4か所を「どう転んだか」とセットで覚えよう。
| 部位 | 折れる場面 |
|---|---|
| 大腿骨近位部 | 横向きに転んで腰の外側を打ったとき |
| 脊椎椎体 | しりもちや重い物を持ったとき。背が縮み、背中が丸くなる |
| 橈骨遠位端 | 転んで手をついたとき |
| 上腕骨近位部 | 転んで肩から落ちたとき |
参考: 系統看護学講座 老年看護学/日本骨粗鬆症学会 骨粗鬆症の予防と治療ガイドライン
出典:「第103回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について