第103回 看護師国家試験 午前 問108 解説
📝 問題
次の文を読み106〜108の問いに答えよ。Aちゃんは、在胎37週0日に正常分娩で体重3,200gで出生した。AちゃんのApgar〈アプガー〉スコアは1分後9点、5分後10点であった。出生時は、体温37.1℃、呼吸数42/分、心拍数154/分であり、頭部に産瘤があった。Aちゃんの両親の血液型はB型Rh(+)である。生後5日、午前9時に沐浴が行われた。Aちゃんは、体重3,210g、体温36.9℃、呼吸数36/分、心拍数138/分である。昨日は排尿7回、排便5回であった。眼脂は認めない。午前11時に母児ともに退院予定である。 退院前のAちゃんへの処置で優先度が高いのはどれか。
✅ 正解
4
💡 解説
✅ 退院前には、出血を防ぐビタミンK2シロップを与える。
新生児はビタミンKが不足しやすい。胎盤を通りにくく、母乳に少なく、腸内細菌もまだ育っていないためである。 不足するとビタミンK欠乏性出血症が起こり、消化管や頭蓋内の出血につながる。 出題された当時は、出生後・生後1週間・1か月健診の3回飲ませる方法がとられていた。Aちゃんは生後5日で退院するので、退院前の与薬が優先される。 現在は生後3か月まで週1回続ける方法に変わっている。
他の3つは、いま行う理由がない。 殿部は排便のたびに清潔にすればよい。 体重は出生時を上回り、哺乳量を測って確かめる状況ではない。 眼脂もなく、抗菌薬の点眼を行う場面でもない。
- 1
殿部の清拭不正解
殿部の清拭は、便が出たときに必要に応じて行うケアである。退院の前に優先される処置ではない。
- 2
哺乳量の測定不正解
体重は出生時の3,200gを上回り、排尿・排便も十分にある。哺乳は足りていると判断できる。
- 3
抗菌薬の点眼不正解
抗菌薬の点眼は、淋菌などによる新生児の結膜炎を防ぐために出生直後に行うことがある。生後5日で眼脂もないAちゃんには当てはまらない。
- 4
ビタミンK2シロップの与薬正解
ビタミンKが足りないと消化管や頭蓋内の出血が起こる。退院までに確実に飲ませる。
📚 ここも一緒におさえておこう
ビタミンK2シロップは、いつ何回飲ませるかが問われる。現在の飲ませ方をそのまま覚えよう。
- 哺乳が確立したころ(出生後)に1回目を飲ませる
- 生後1週間(産科を退院するとき)に2回目を飲ませる
- その後は生後3か月まで週1回続け、合計13回飲ませる
参考: 日本小児科学会「新生児と乳児のビタミンK欠乏性出血症発症予防に関する提言」
出典:「第103回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について