第115回 看護師国家試験 午後 問86 解説
📝 問題
民生委員について正しいのはどれか。2つ選べ。
✅ 正解
1・3
💡 解説
✅ 民生委員は児童委員を兼ね、厚生労働大臣から委嘱される。
民生委員は民生委員法に基づいて置かれ、都道府県知事の推薦により厚生労働大臣が委嘱する。市町村長でも都道府県知事でもない点が問われやすい。また、児童福祉法の規定により、民生委員は自動的に児童委員を兼ねる(このため実務では「民生委員・児童委員」と呼ばれる)。
任期は3年(再任可)で、5年ではない。給与は支給されず、地域住民によるボランティアとして活動する(活動に要する費用は実費弁償される)。全国の委嘱数は約23万人で、50万人には遠く及ばない。
職務は、住民の生活状況を把握し、相談に応じて助言し、福祉サービスの情報を提供して関係行政機関につなぐことである。職務上知り得た情報については守秘義務が課されている。
- 1
児童委員を兼ねる。正解
児童福祉法により、民生委員は児童委員を兼ねると定められている。そのため「民生委員・児童委員」として、高齢者福祉から児童の見守りまで幅広く担当する。児童福祉を専門に担当する主任児童委員は、児童委員のうちから厚生労働大臣が指名する。
- 2
任期は5年である。不正解
任期は3年である(再任は可)。全国で3年に一度、一斉改選が行われる。
- 3
厚生労働大臣から委嘱される。正解
民生委員は、市町村に置かれる民生委員推薦会の推薦を経て都道府県知事が推薦し、厚生労働大臣が委嘱する。国から委嘱される点が、地域のボランティアでありながら公的な性格をもつ根拠になっている。
- 4
社会福祉法に基づいて置かれる。不正解
民生委員の根拠法は民生委員法(1948年制定)である。社会福祉法は、社会福祉事業や社会福祉協議会、福祉事務所などについて定める法律であり、民生委員を置く根拠ではない。
- 5
全国で約50万人が活動している。不正解
全国の民生委員・児童委員は約23万人(定数は約24万人)である。約50万人という数字は大きすぎる。近年は担い手の確保が難しく、定数を満たせない地域が増えていることも課題になっている。
📚 混同しやすいので注意
同じく地域で無給で活動する委嘱制の担い手として保護司がある。保護司は保護司法に基づき法務大臣が委嘱し、任期は2年で、保護観察対象者の指導・支援や犯罪予防活動を行う。委嘱者と任期を対にして覚えるとよい。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 根拠法 | 民生委員法 |
| 委嘱 | 都道府県知事の推薦により厚生労働大臣が委嘱 |
| 任期 | 3年(再任可) |
| 報酬 | 無給(活動費は実費弁償) |
| 兼務 | 児童福祉法により児童委員を兼ねる |
| 人数 | 全国で約23万人 |
| 主な職務 | 住民の生活状況の把握、相談・助言、福祉サービスの情報提供、関係機関への連絡・協力 |
| 義務 | 守秘義務、政治的中立の保持 |
参考: 民生委員法第5条・第10条・第14条・第15条/児童福祉法第16条/厚生労働省「福祉行政報告例」(民生委員・児童委員の委嘱数)
出典:「第115回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について