第115回 看護師国家試験 午後 問48 解説

一般成人看護学✔ 監修済み

📝 問題

不安定狭心症の成人患者に対する退院指導で、胸痛発作時に用いる硝酸薬の説明で正しいのはどれか。

✅ 正解

4

💡 解説

✅ 硝酸薬は血圧低下を起こすため、使用後に急に立ち上がらないよう指導する。

ニトログリセリンなどの硝酸薬は、静脈系を中心に血管を拡張させて心臓に戻る血液量(前負荷)を減らし、冠動脈も拡張させて心筋虚血を改善する。 同時に血圧低下・めまい・失神が起こりうるため、坐位または臥位で使用し、使用後は急に立ち上がらないよう指導する。

他の選択肢は、舌下錠の保管方法・効き始めの時間・のみ方の説明が誤っている。 舌下錠は1〜2分で効き始める。効かなければ5分あけて追加し、3回使っても改善しなければ救急要請する、と数字で覚えておく。

  • 1

    「冷蔵庫で保存してください」不正解

    ニトログリセリン舌下錠は揮発しやすく湿気にも弱いため、元の気密容器のまま室温・遮光で保管する。冷蔵庫での保存は指示されておらず、他の容器へ移し替えないことも重要である。

  • 2

    「使用して15分程度で効果が出ます」不正解

    舌下投与では口腔粘膜から直接吸収され、1〜2分程度で効果が現れる。15分かかるという説明は誤りで、5分で効果がなければ追加、3回使用しても改善しなければ心筋梗塞を疑って救急要請するよう指導する。

  • 3

    「痛みが強いときはかみ砕いてください」不正解

    舌下錠は噛み砕かず、舌の下で自然に溶かす。噛んで飲み込むと消化管から吸収されて肝臓で大部分が代謝され(初回通過効果)、期待する効果が得られない。

  • 4

    「使用後は急に立ち上がらないでください」正解

    血管拡張作用によって血圧が下がり、起立時にめまいや失神を起こすことがある。坐位または臥位で使用し、効果が出るまで安静を保ち、立ち上がるときはゆっくり動くよう指導する。

📚 国試でよく狙われるところ

硝酸薬は、併用してはいけない薬・副作用・剤形の使い分けが入れ替えて問われる。あわせて、受診が必要になる胸痛の変化も覚えよう。

  • ホスホジエステラーゼ5阻害薬(シルデナフィルなど)との併用は急激な血圧低下を招くため禁忌
  • 頭痛は血管拡張による代表的な副作用で、多くは使用を続けるうちに軽減する
  • 貼付剤や徐放錠は発作の予防に用いる薬で、発作時に使うのは舌下錠・口腔内スプレーである
  • 安静時にも胸痛が起こる、発作の回数・強さ・持続時間が増える場合は不安定狭心症として緊急受診する

参考: 日本循環器学会「急性冠症候群ガイドライン」/ニトログリセリン舌下錠の添付文書

出典:「第115回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について

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