第115回 看護師国家試験 午後 問34 解説

一般基礎看護学✔ 監修済み

📝 問題

入院中のAさん(43歳、男性)は脳梗塞による利き手の片麻痺がある。食事の自助具を選択することを目的に、看護師が連携する病院内の専門職で優先度が高いのはどれか。

✅ 正解

2

💡 解説

✅ 食事の自助具の選定・調整は作業療法士〈OT〉の専門領域である。

作業療法士〈OT〉は、身体または精神に障害のある人に対し、主として応用的動作能力・社会的適応能力の回復を図る専門職である(理学療法士及び作業療法士法)。食事・更衣・整容といった日常生活動作〈ADL〉の訓練と、それを補う自助具の選定・作製・調整は作業療法士の代表的な業務である。 利き手に麻痺が残ったAさんの食事用自助具を選ぶ場面では、作業療法士との連携が最も優先される。

他の職種は担当する領域が違う。義肢装具士は医師の処方に基づいて義肢・装具を製作し、身体に適合させるのが業務で、自助具の選定は行わない。

  • 1

    義肢装具士不正解

    義肢装具士は医師の処方の下に義肢(義手・義足)と装具を製作し、身体への適合を行う専門職である。スプーンやフォークなど食事用自助具の選定は業務範囲ではない。

  • 2

    作業療法士正解

    作業療法士は応用的動作能力の回復を担い、食事動作の評価と自助具(太柄スプーン、曲がりスプーン、すくいやすい皿、すべり止めマットなど)の選定・調整を行う。利き手交換の訓練も担当する。

  • 3

    臨床工学技士不正解

    臨床工学技士は人工呼吸器・血液浄化装置・人工心肺など生命維持管理装置の操作と保守点検を行う職種で、日常生活動作の支援は担当しない。

  • 4

    医療ソーシャルワーカー不正解

    医療ソーシャルワーカーは、医療費や制度の利用、退院後の生活の場、就労など経済的・社会的・心理的問題の相談援助を担う。自助具そのものの選定は専門外である。

📚 混同しやすいので注意

リハビリテーション関連職種は、職種名と役割を入れ替えて問われる。理学療法士は基本的動作、作業療法士は応用的動作と自助具、と対にして覚えよう。

リハビリテーション関連職種の役割
職種主な役割
理学療法士〈PT〉基本的動作能力(寝返り・起き上がり・立位・歩行)の回復
作業療法士〈OT〉応用的動作能力・社会的適応能力の回復、ADL訓練、自助具の選定・作製
言語聴覚士〈ST〉言語・音声・聴覚機能の訓練、摂食嚥下訓練
義肢装具士医師の処方による義肢・装具の製作と身体への適合
管理栄養士栄養状態の評価、食事形態の調整と栄養食事指導

参考: 理学療法士及び作業療法士法第2条

出典:「第115回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について

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