第115回 看護師国家試験 午後 問32 解説

一般健康支援と社会保障制度✔ 監修済み

📝 問題

救急医療に関する記述で正しいのはどれか。

✅ 正解

4

💡 解説

✅ 一般住民によるAEDの使用はプレホスピタルケア(病院前救護)に含まれる。

プレホスピタルケア(病院前救護)とは、傷病者が医療機関に収容されるまでに行われる救護活動すべてを指す。 救急救命士や救急隊員の処置だけでなく、その場に居合わせた人(バイスタンダー)による胸骨圧迫やAEDの使用も含まれる。 非医療従事者によるAEDの使用は2004年に認められた。除細動までの時間が1分遅れるごとに救命率は約7〜10%低下するとされ、住民による早期使用が生存率を大きく左右する。

他の選択肢は制度の主体や統計値の取り違えである。救急医療情報センターは都道府県が整備し、医療機関の受入状況を集約して救急隊へ提供する。 救急搬送の傷病程度は軽症が約5割・中等症が約4割で、両者を合わせると約9割にのぼる。 救急医療の連携体制を記載するのは健康増進計画ではなく都道府県の医療計画である。

  • 1

    救急医療情報センターは国が整備する。不正解

    救急医療情報センターを整備・運営するのは都道府県である。医療機関の応需状況や手術・処置の可否をリアルタイムに集約し、消防機関や住民に提供する仕組みで、国が直接整備するものではない。

  • 2

    救急搬送の約8割が軽傷・中等症患者である。不正解

    総務省消防庁の統計では、搬送された傷病者は軽症が約5割、中等症が約4割で、両者を合わせると約9割を占める。重症以上は1割弱であり、「約8割」という記述は実態と合わない。

  • 3

    都道府県の健康増進計画に救急医療の連携が記載されている。不正解

    救急医療をはじめとする5疾病6事業および在宅医療の連携体制を記載するのは、医療法に基づく都道府県の医療計画である。健康増進計画は健康増進法に基づき、栄養・身体活動・喫煙・飲酒など生活習慣の改善目標を定める計画で性格が異なる。

  • 4

    一般住民による自動体外式除細動器〈AED〉の使用はプレホスピタルケア〈病院前救護〉に該当する。正解

    プレホスピタルケアは医療機関到着前の救護すべてを指し、バイスタンダーによる胸骨圧迫・人工呼吸・AED使用も当然含まれる。救命の連鎖のうち「早期の心肺蘇生とAED」を担うのは、まさにその場に居合わせた一般住民である。

📚 ここも一緒におさえておこう

救急医療体制は重症度に応じた三層構造で、どの重症度をどこが担うかを入れ替えて問われる。 救命の連鎖は順番がそのまま問われるので、①〜④を並べて覚えよう。

  • 初期(一次)救急=入院を要しない軽症:休日夜間急患センター、在宅当番医制
  • 第二次救急=入院や手術を要する:病院群輪番制、共同利用型病院
  • 第三次救急=重篤・多発外傷など:救命救急センター、高度救命救急センター
  • 救命の連鎖=①心停止の予防 ②早期認識と通報 ③一次救命処置(心肺蘇生とAED) ④二次救命処置と集中治療

参考: 総務省消防庁「救急・救助の現況」/医療法第30条の4(医療計画)/JRC蘇生ガイドライン(日本蘇生協議会)

出典:「第115回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について

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