第115回 看護師国家試験 午後 問14 解説
📝 問題
心房細動について正しいのはどれか。
✅ 正解
3
💡 解説
✅ 心房細動では心房内(特に左心耳)に血栓ができやすい。
心房細動は、心房が350〜600回/分で無秩序に興奮し、心房としてのまとまった収縮が失われる不整脈である。 心電図では正常なP波が消失し、基線が細かく揺れるf波(細動波)となる。 この興奮が房室結節を不規則に伝わるため、RR間隔がまったく不規則な絶対性不整脈になる。
心房が有効に収縮しないと血液がよどみ、とくに左心耳に血栓を生じる。これが流出すると心原性脳塞栓症など全身の塞栓症を起こす。
- 1
心電図でP波を認める。不正解
P波は消失し、代わりに細かく不規則なf波がみられるのが心房細動の心電図所見である。
- 2
心房の興奮は規則的である。不正解
心房全体が無秩序・不規則に興奮する。規則的な高頻度興奮を示すのは心房粗動(鋸歯状のF波、心房約300回/分)で、別の不整脈である。
- 3
心房内に血栓を形成しやすい。正解
正しい。心房収縮が失われて血流がうっ滞し、左心耳に血栓を生じて脳塞栓症の原因となる。
- 4
房室結節の興奮伝導障害である。不正解
房室結節での伝導障害は房室ブロックである。心房細動は心房自体の無秩序な興奮であり、房室結節はむしろ不規則に伝導している。
📚 ここも一緒におさえておこう
心房細動は、脈のとり方と脳梗塞の予防まで続けて問われる。
- CHADS2スコア=心不全・高血圧・75歳以上・糖尿病が各1点、脳卒中/TIAの既往が2点。合計が高いほど脳梗塞リスクが高い
- 心房細動では心拍数に比べて脈拍数が少なくなる(脈拍欠損)ことがあるため、心尖部の聴診と橈骨動脈の触知を同時に行う
- ワルファリン内服中は納豆・クロレラ・青汁(ビタミンK)を避ける。直接経口抗凝固薬(DOAC)には食事制限がない
| 心房細動 | 心房粗動 | |
|---|---|---|
| 心房の興奮 | 無秩序・350〜600回/分 | 規則的・約300回/分 |
| 心電図 | P波消失、f波、RR間隔不整 | 鋸歯状のF波、2:1や4:1で伝導 |
| 脈 | 絶対性不整脈 | 整のこともある |
| 共通する危険 | 心房内血栓・塞栓症 | 心房内血栓・塞栓症 |
参考: 日本循環器学会「2020年改訂版 不整脈薬物治療ガイドライン」
出典:「第115回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について