第115回 看護師国家試験 午後 問111 解説

状況設定母性看護学✔ 監修済み

📝 問題

次の文を読み109〜111の問いに答えよ。 Aさん(37歳、初産婦)は妊娠40週5日で妊娠経過は順調である。午前6時から15分おきの子宮収縮が始まり、午前9時から5〜7分周期の陣痛がある。午前10時に入院し、入院時のバイタルサインは、体温36.9℃、脈拍80/分、血圧134/86mmHg。子宮口3cm開大、未破水であった。 Aさんの児は日齢4。児のバイタルサインに異常はない。経皮ビリルビン検査で生理的範囲を超え、医師の診察の結果、高ビリルビン血症と診断された。保育器に収容してスタンド型光線療法器で治療を開始することになった。 Aさんへの説明で適切なのはどれか。

✅ 正解

4

💡 解説

✅ 光線療法では強い光から網膜を守るため、アイマスクを装着して治療することを説明する。

光線療法は、青色〜緑色の光を当てて皮膚のビリルビンを水溶性の異性体に変え、胆汁や尿から排泄させる治療である。 強い光が眼に入ると網膜を障害するおそれがあるため、治療中はアイマスク(遮光眼帯)を装着する。

他の3つは、光線療法の実際と合わない。母乳は水分の補給とビリルビンの排泄のために続け、光の当たる面積を確保するため衣服は着せずにおむつのみとし、保育器に収容して照射するので治療の間は母児同室を中断する。

  • 1

    「母乳を中止します」不正解

    母乳を中止する必要はない。むしろ哺乳量の確保が水分補給と腸管からのビリルビン排泄(腸肝循環の抑制)につながる。母乳性黄疸が強く疑われる特殊な場合に一時中断が検討されることはあるが、通常の光線療法では継続する。

  • 2

    「母児同室は継続できます」不正解

    保育器に収容してスタンド型光線療法器で治療するため、治療中は児が母親のそばにいる母児同室を続けることはできない。授乳や面会の時間は確保できることをあわせて説明し、母親が分離を不安に感じないよう配慮する。

  • 3

    「薄い衣服を着て治療します」不正解

    衣服は光をさえぎり照射面積を減らしてしまう。おむつのみの裸体とし、アイマスクで眼を保護したうえで、体位を変えながら全身に光を当てる。

  • 4

    「アイマスクをして治療します」正解

    光線療法中は網膜保護のためアイマスクを装着する。ずれると眼が露出したり、逆に鼻や口をふさいだりするため、位置と皮膚の圧迫を頻回に確認する。

📚 丸暗記より仕組みで覚えよう

光線療法は副作用が予測できる治療であり、観察項目もそこから導かれる。

  • 黄疸のスクリーニングは経皮ビリルビン測定で行うが、治療の判断は血清ビリルビン値による。光線療法中は経皮値が当てにならない
  • 治療中の観察=アイマスクのずれ、体温、体重、哺乳量、排尿・排便回数、活気
  • 母親には、黄疸が多くの新生児に起こる変化であることと治療は数日で終わることを伝え、罪責感を持たせない
光線療法の主な副作用と看護
副作用内容看護
体温上昇照射による熱体温を頻回に測定し、保育器内温度を調整する
脱水不感蒸泄の増加、下痢体重・尿量・哺乳量・皮膚の乾燥を確認し哺乳を促す
下痢(緑色水様便)ビリルビン代謝産物の排泄殿部の清潔を保ち、おむつ皮膚炎を予防する
発疹一過性のことが多い経過を観察する
青銅児症候群直接ビリルビン高値のときに皮膚が灰褐色になる医師に報告し、治療方針を確認する

参考: 日本新生児成育医学会(旧 日本未熟児新生児学会)新生児黄疸管理に関する指針/産婦人科診療ガイドライン 産科編(日本産科婦人科学会・日本産婦人科医会)

出典:「第115回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について

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