第115回 看護師国家試験 午前 問88 解説
📝 問題
老視の原因はどれか。2つ選べ。
✅ 正解
2・5
💡 解説
✅ 老視は水晶体の弾力性低下と毛様体筋の萎縮による調節力の低下。
近くを見るときは毛様体筋が収縮してチン小帯がゆるみ、水晶体が厚くなって屈折力を上げる。これを「調節」という。
加齢では、このしくみが2か所で衰える。 ・水晶体の弾力性が低下して厚くなりにくくなる(こちらが主因) ・毛様体筋が萎縮して収縮力が落ちる
その結果、近くにピントが合わなくなる(老視)。
- 1
房水の循環障害不正解
房水の循環障害は眼圧を上げ、緑内障の原因になる。調節力の低下=老視とは機序が異なる。
- 2
毛様体筋の萎縮正解
正しい。毛様体筋が萎縮して収縮力が落ち、水晶体を厚くする働きが弱まる。
- 3
虹彩の弾力性の低下不正解
虹彩は瞳孔径を変えて入る光量を調節する。加齢で縮瞳しやすくなるが、老視の直接の原因ではない。
- 4
網膜神経細胞の減少不正解
網膜神経細胞の減少は視野やコントラスト感度・暗順応の低下に関わるが、調節力とは関係がない。
- 5
水晶体の弾力性の低下正解
正しい。水晶体の弾力性の低下が老視の主な原因である。
📚 混同しやすいので注意
加齢による目の変化は種類が多い。「どこが変わって、何が見えにくくなるか」で結びつけると混ざらない。
| 変化 | 機序 | 生活への影響 |
|---|---|---|
| 老視 | 水晶体の弾力性低下・毛様体筋の萎縮 | 近くの文字が読みにくい。40歳代から自覚 |
| 白内障 | 水晶体の混濁 | かすみ、まぶしさ(羞明)、視力低下 |
| 緑内障 | 房水の循環障害による眼圧上昇など | 視野の欠損。自覚が乏しいまま進行する |
| 加齢黄斑変性 | 黄斑部の障害 | 中心が歪む・見えない(変視症・中心暗点) |
| 水晶体の黄変 | 水晶体のタンパク変性 | 青と緑の区別がつきにくくなる |
| 暗順応の遅れ | 網膜・瞳孔の加齢変化 | 夜間や暗い場所での見えにくさ、転倒の危険 |
参考: 系統看護学講座 老年看護学/日本眼科学会 目の病気・加齢による変化
出典:「第115回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について