第115回 看護師国家試験 午前 問22 解説
📝 問題
酸素投与器具を図に示す。最も高濃度の酸素を吸入できるのはどれか。(別紙参照)
✅ 正解
4
💡 解説
✅ リザーバー付きマスクが最も高濃度(FiO2 0.6〜0.9)
酸素投与器具は、それぞれ得られる吸入酸素濃度(FiO2)の範囲が決まっている。リザーバー付き酸素マスクは、呼気や呼吸の休止期の間に酸素をリザーバーバッグに貯めておき、吸気時にまとめて吸い込ませる仕組みで、6〜10L/分でFiO2およそ0.6〜0.9と、この4つのなかで最も高い濃度が得られる。
使用時の条件は、吸気時にもリザーバーバッグがしぼみきらない流量(おおむね6L/分以上)を確保すること。バッグがぺしゃんこになるようでは十分な酸素が供給されておらず、実際のFiO2は下がる。
- 1
鼻カニューレ不正解
鼻カニューレは1〜6L/分でFiO2約0.24〜0.44。会話や食事ができる利点があるが、6L/分を超えて流しても濃度はほとんど上がらず、鼻粘膜の乾燥・疼痛を招くだけである。
- 2
簡易酸素マスク不正解
簡易酸素マスクは5〜8L/分でFiO2約0.4〜0.6。5L/分未満で使うとマスク内に呼気が溜まりCO2を再呼吸してしまうため、最低5L/分が必要という点が頻出。
- 3
ベンチュリーマスク不正解
ベンチュリーマスクはダイリューター(コマ)で空気の混入量を決め、FiO2 0.24〜0.50を患者の呼吸パターンに左右されず正確に設定できる。CO2ナルコーシスを避けたいⅡ型呼吸不全で有用だが、最高濃度は高くない。
- 4
リザーバー付きマスク正解
正しい。リザーバー付きマスクはFiO2 0.6〜0.9で、選択肢のなかで最も高濃度の酸素を投与できる。
📚 関連知識
- 高流量鼻カニューレ(HFNC)は加温加湿した高流量ガスを流し、FiO2を0.21〜1.0の範囲で設定できる。
- 酸素は支燃性のガス。火気は厳禁で、在宅酸素療法では機器から2m以内で火を使わないよう指導する。
- 酸素ボンベの残量は「ボンベ内圧×内容積÷充填圧」で計算でき、使用可能時間=残量÷流量。
| 器具 | 酸素流量 | FiO2の目安 | 特徴 |
|---|---|---|---|
| 鼻カニューレ | 1〜6L/分 | 0.24〜0.44 | 会話・食事が可能。3L/分以上で加湿を考慮 |
| 簡易酸素マスク | 5〜8L/分 | 0.40〜0.60 | 5L/分未満はCO2再呼吸のため不可 |
| ベンチュリーマスク | 器具ごとの指定流量 | 0.24〜0.50 | 濃度を正確に設定できる |
| リザーバー付きマスク | 6〜10L/分 | 0.60〜0.90 | 最も高濃度。バッグをしぼませない |
参考: 日本呼吸器学会「酸素療法マニュアル」
出典:「第115回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について