第115回 看護師国家試験 午前 問18 解説
📝 問題
誤嚥のリスクがある患者の食事援助で適切なのはどれか。
✅ 正解
3
💡 解説
✅ 食事中は頸部前屈位(顎を引いた姿勢)にする。
頸部前屈位(顎を引いた姿勢)にすると、気管の入口が狭くなり、食道の入口が開きやすくなるので、食塊が気道へ流れ込みにくい。逆に顎が上がった伸展位では、口から気管までが一直線になって誤嚥しやすくなる。
姿勢の目安は次のとおり。 ・可能なら座位(体幹90度・足底を床につける) ・ベッド上ではギャッチアップ30〜60度にし、枕で頸部前屈を保つ
- 1
きざみ食を選ぶ。不正解
きざみ食は刻んだだけで口の中でばらけるため、かえって咽頭に散らばり誤嚥しやすい。まとまりのあるゼリー食・ペースト食やとろみ付けを選ぶ。
- 2
粘り気の強い食品を選ぶ。不正解
餅や団子など粘り気の強い食品は咽頭や口蓋に貼りつき、窒息の危険が高い。
- 3
食事中は頸部前屈位をとる。正解
正しい。頸部前屈位が誤嚥予防の最も基本的な姿勢である。
- 4
食後は速やかに仰臥位をとる。不正解
食後すぐの仰臥位は胃食道逆流を招き、誤嚥性肺炎の原因になる。食後30分〜1時間は座位・半座位を保つ。
📚 ここも一緒におさえておこう
嚥下しやすい食品は「まとまる・すべる」、しにくい食品は「ばらける・貼りつく」で考えると分けやすい。 嚥下の評価法と、起こる肺炎の場所もセットで問われる。
- スクリーニングは反復唾液嚥下テスト〈RSST(アールエスエスティー)〉=30秒間に3回以上で正常。
- 改訂水飲みテスト〈MWST(エムダブリューエスティー)〉=冷水3mLを飲んでもらい、むせや声の変化をみる。
- 詳しく調べるには嚥下造影検査〈VF〉・嚥下内視鏡検査〈VE〉。
- 誤嚥性肺炎は右下葉に起こりやすい。右の主気管支のほうが太く、垂直に近いため。
| 嚥下しやすい | 嚥下しにくい |
|---|---|
| プリン、ゼリー、ヨーグルト、とろみ付き飲料 | 水・お茶などさらさらした液体 |
| ポタージュ、全粥、煮こごり | 餅・団子など粘りの強いもの |
| ミンチをあんでまとめた料理 | きざみ食、そぼろなどばらけるもの |
| やわらかい煮物、ムース食 | のり・わかめなど口蓋に貼りつくもの |
参考: 日本摂食嚥下リハビリテーション学会「訓練法のまとめ」/日本呼吸器学会「成人肺炎診療ガイドライン」
出典:「第115回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について