第115回 看護師国家試験 午前 問102 解説
📝 問題
次の文を読み100〜102の問いに答えよ。 Aさん(75歳、男性)は妻(70歳)と2人で暮らしている。日中は本を読んで過ごすことが多い。2か月前からAさんは、椅子から立ち上がる時にバランスを崩すことや「寝室に女の子がいる」と言うことがあった。また、就寝後、夜間に大きな声で「おーい」と叫んで手を振る行動が継続してみられるようになった。心配になった妻がAさんと病院を受診し、初期のLewy〈レビー〉小体型認知症と診断された。Aさんは要介護認定の申請をし、要支援1と認定された。 診断から4か月後、病院受診時にAさんは、外来看護師に「最近、歩こうとすると足が前に出ないことがありますが、地域の行事に参加して、いろいろな人と交流しながら、妻との生活を続けたいです。今できていることを維持するために、運動が効果的と聞きました。何か方法はありますか」と話した。 外来看護師の助言として最も適切なのはどれか。
✅ 正解
4
💡 解説
✅ 専門職による運動と他者との交流を両立できる介護予防通所リハビリテーションが最適。
Aさんの希望は2つある。 ・今できていることを維持するための運動 ・地域の人と交流しながら、妻との生活を続けること
すでにすくみ足(歩こうとしても足が前に出ない)が出ており、パーキンソニズムが進みつつある。
介護予防通所リハビリテーション(デイケア)なら、理学療法士・作業療法士等による運動器機能向上プログラムを受けられ、同時にほかの利用者との交流の場にもなる。要支援1で利用でき、Aさんの2つの希望を同時に満たせる。
- 1
「毎日、散歩に行きましょう」不正解
すくみ足があるAさんが1人で毎日散歩するのは転倒の危険が高い。専門職による評価も他者との交流も得られない。
- 2
「家の中で運動できるサービスがありますよ」不正解
訪問リハビリテーションなど自宅で行うサービスは運動にはなるが、「いろいろな人と交流したい」という希望に応えられず、閉じこもりを助長するおそれがある。
- 3
「次回の受診時に医師に相談してみましょう」不正解
医師への相談を促すだけでは、目の前で表明された希望に応じておらず、対応を先送りしている。
- 4
「介護予防通所リハビリテーションが利用できますよ」正解
正しい。要支援1で利用でき、専門職による運動器機能向上と他利用者との交流の両方が得られる。
📚 関連知識
介護予防サービスを選ぶときは、「専門職の関与が要るか」「安全に行えるか」「本人の望む生活に近づくか」の3点で比べる。
- 要支援者の介護予防サービス計画は地域包括支援センターが作成する。
- すくみ足には、床の目印をまたぐ・「1・2・1・2」と声をかけるなど視覚的・聴覚的な合図(キュー)が有効。
- 社会参加を続けることそのものが、身体機能・認知機能の低下予防につながる。
| 区分 | サービス | 内容 |
|---|---|---|
| 予防給付 | 介護予防通所リハビリテーション | 医療機関・介護老人保健施設でPT・OT・ST等によるリハビリ。運動器機能向上、栄養改善、口腔機能向上 |
| 予防給付 | 介護予防訪問リハビリテーション | 自宅でPT・OT・STがリハビリを実施 |
| 予防給付 | 介護予防短期入所生活介護 | 短期間の入所(ショートステイ) |
| 予防給付 | 介護予防福祉用具貸与・特定福祉用具販売・住宅改修 | 歩行器、手すり、入浴補助用具など |
| 総合事業 | 訪問型サービス・通所型サービス | 市町村が実施。旧・介護予防訪問介護/介護予防通所介護に相当 |
訪問介護・通所介護(デイサービス)は要支援者では総合事業に移行している点が頻出。
参考: 介護保険法 介護予防サービス・介護予防日常生活支援総合事業/パーキンソン病診療ガイドライン
出典:「第115回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について