第114回 看護師国家試験 午後 問43 解説

一般在宅看護論✔ 監修済み

📝 問題

Aちゃん(1歳7か月、女児)は先天性水頭症〈congenital hydrocephalus〉のため脳室−腹腔〈V-P〉シャント造設術を受けて退院した。Aちゃんは歩行障害があり、母親が1人で育てている。退院後、訪問看護師が訪問すると、Aちゃんの母親は「子どもが泣くとイライラします。この先Aを育てていく自信がなく、経済的にも生活していけるか不安です」と話した。 このとき、訪問看護師が母親に勧める相談先で最も適切なのはどれか。

✅ 正解

2

💡 解説

✅ 育児不安と経済的な不安をまとめて受け止められる、市町村の保健センターを勧める。

母親は「イライラする」「育てる自信がない」「経済的にも不安」と、育児不安と経済的な困りごとを同時に訴えている。しかもAちゃんは医療的な管理が必要で、母親はひとりで育てている。孤立したまま追い詰められる危険があるので、早く公的な支援につなぐ。

市町村の保健センターは、乳幼児健診・保健指導・家庭訪問を行う母子保健の身近な窓口である。保健師が継続して関わりながら、育児相談から手当や医療費助成の案内、福祉部門との連携までを一つの窓口で引き受けられる。1歳7か月は乳幼児健診の対象でもあり、その後も関わりを続けやすい。

  • 1

    居住地の社会福祉協議会不正解

    社会福祉協議会は資金の貸付やボランティア調整を行う民間の団体で、お金の相談の一部には応じられる。ただし乳幼児の育児や療育を継続して支える窓口ではない。

  • 2

    居住地の保健センター正解

    保健師の家庭訪問や育児相談に加え、障害児の制度や手当の案内、必要なときの福祉部門との連携までできる。育児不安と経済的不安の両方を受け止められる。

  • 3

    障害児の子育てグループ不正解

    同じ立場の親どうしの支え合いは孤立感をやわらげるが、お金の不安や公的サービスの調整はできない。公的な支援につながったあとに紹介する資源である。

  • 4

    入院していた病院の医療相談室不正解

    医療相談室は入院費や医療費助成の相談には応じられるが、対象はその病院にかかる範囲にとどまる。退院後の地域での育児支援を続けて調整する立場ではない。

📚 混同しやすいので注意

相談機関は設置主体が市町村か都道府県かで守備範囲が決まる。名前が似ていても役割は別物なので、表で対比して覚える。

  • 障害のある子どもが使える主な制度=小児慢性特定疾病医療費助成、自立支援医療(育成医療)、特別児童扶養手当、障害児福祉手当、児童発達支援
  • ひとり親家庭では児童扶養手当やひとり親家庭等医療費助成の対象にもなりうる
地域の主な相談機関
機関設置主体主な役割
市町村保健センター市町村乳幼児健診・保健指導・家庭訪問・健康相談など住民に身近な対人保健サービス
保健所都道府県・政令市・特別区など難病・精神保健・感染症対策・専門的で広域的な業務、統計
こども家庭センター市町村妊娠期から子育て期までの一体的な相談支援
児童相談所都道府県・政令市など児童虐待対応、専門的判定、一時保護、療育手帳の判定
地域包括支援センター市町村(委託可)高齢者の総合相談・権利擁護・介護予防ケアマネジメント

参考: 母子保健法/児童福祉法

出典:「第114回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について

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