第114回 看護師国家試験 午後 問36 解説
📝 問題
人工肛門周囲の皮膚を清潔にする方法で適切なのはどれか。
✅ 正解
1
💡 解説
✅ ストーマ周囲の皮膚は装具を外し、微温湯と弱酸性石けんの泡でやさしく洗う。
ストーマ周囲の皮膚トラブルの多くは、面板の下にもぐり込んだ便と、皮膚保護剤の残りかすの刺激で起こる。だから装具を交換するたびに装具を外して洗浄し、便と粘着剤をきちんと落とすことが基本になる。
洗うときは微温湯と弱酸性石けんをよく泡立て、こすらずにやさしく洗い、石けん成分を十分に流したあと柔らかいタオルで押さえ拭きする。
ストーマは腸の粘膜が体の表面に出たもので、傷ではない。だから消毒は不要であり、消毒薬はかえって皮膚を傷める。
- 1
装具を外して洗浄する。正解
正しい。外して洗うことで面板の下の便や残りかすを落とせ、発赤・びらん・毛嚢炎がないかも直接観察できる。
- 2
石けんは使用しない。不正解
石けんを使わないと便の脂分や粘着剤の残りかすが落ちず、かえって皮膚を傷める。弱酸性の石けんをよく泡立てて使い、成分が残らないよう十分に流す。
- 3
洗浄後に消毒をする。不正解
ストーマは無菌操作が必要な傷ではないので消毒は不要である。消毒薬は皮膚を乾燥させ、面板の粘着も悪くする。
- 4
洗浄後はドライヤーで乾燥させる。不正解
ドライヤーの熱風は熱傷や乾燥・かゆみを招く。ストーマの粘膜は熱さを感じにくく危険であり、柔らかいタオルで押さえ拭きすれば十分である。
📚 一緒に確認しよう
装具の管理と合併症もあわせて押さえておこう。
- 面板の穴はストーマ径+2mm程度。大きすぎると便がもぐり込み、小さすぎると粘膜を傷つける
- 交換の目安は3〜4日ごと。面板のふやけ具合をみて調整する
- 面板をはがすときは皮膚を押さえながらゆっくり。必要に応じて剝離剤を使う
- 回腸ストーマの排泄物は水様で消化酵素を含むため、皮膚を傷めやすい
- 早期の合併症=壊死・浮腫・出血・粘膜皮膚離開/晩期の合併症=狭窄・陥没・脱出・傍ストーマヘルニア
- 入浴は装具を付けたままでも外してでもよい(ストーマから湯が入ることはない)
参考: 日本ストーマ・排泄リハビリテーション学会 ストーマケアの手引き
出典:「第114回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について