第114回 看護師国家試験 午前 問81 解説
📝 問題
伝えたいことがあるにも関わらず、ろれつが回らず正しく発音することが困難になるのはどれか。
✅ 正解
2
💡 解説
✅ ろれつが回らず正しく発音できなくなるのは構音障害である。
「伝えたいことがあるのに、うまく発音できない」——つまり話す中身は保たれているのに、口や舌、喉頭の筋が思うように動かず正しい音がつくれない状態が構音障害である。
口唇・舌・軟口蓋・喉頭の筋の麻痺や、動きのぎこちなさで起こり、脳血管障害、パーキンソン病、筋萎縮性側索硬化症、小脳の病気などでみられる。
区別すべきは失語症。こちらは言葉そのもの(話す・聞く・読む・書く)の障害である。
- 1
喚語困難不正解
喚語困難は、言いたい言葉が思い出せず出てこない失語症の症状。「あれ」「それ」が増える。発音そのものは保たれる。
- 2
構音障害正解
正しい。ろれつが回らない、声が小さい、話す速さが遅いといった形で現れる。
- 3
吃音不正解
吃音は、話し始めの音のくり返し(「ぼ、ぼ、ぼくは」)、引き伸ばし、言葉が詰まって出ないことを特徴とする、なめらかさの障害。筋の麻痺によるものではない。
- 4
錯語不正解
錯語は「めがね」を「とけい」と言う、「みかん」を「みたん」と言うなど、別の語や音に言いまちがえる失語症の症状。
- 5
嗄声不正解
嗄声は声帯の異常(反回神経麻痺、声帯ポリープ、喉頭炎など)による声のかすれで、声の質の問題。発音そのものの障害ではない。
📚 混同しやすいので注意
「発音の問題」なのか「言葉そのものの問題」なのかで分ける。書字ができるかどうかも手がかりになる。
| 障害 | 主な責任部位 | 特徴 |
|---|---|---|
| 構音障害 | 発語器官を動かす神経・筋 | 言葉の理解と中身は保たれるが発音が不明瞭。書くことはできることが多い |
| 運動性失語(ブローカ失語) | 左前頭葉の下部 | 理解は比較的よいが、発話がたどたどしい。復唱も難しい |
| 感覚性失語(ウェルニッケ失語) | 左側頭葉の上部 | 流暢に話すが中身が伴わず、理解が悪い。言いまちがいが多い |
| 嗄声 | 声帯・反回神経 | 声のかすれ、息のもれる声。誤嚥の危険を伴うことがある |
| 吃音 | はっきりした器質的な病変はない | 音のくり返し・引き伸ばし・言葉が出ない |
出典:「第114回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について