第114回 看護師国家試験 午前 問25 解説
📝 問題
心静止の患者に投与する薬剤はどれか。
✅ 正解
4
💡 解説
✅ 心静止では、できるだけ早くアドレナリンを静脈内に投与する。
心静止は心臓の電気活動が完全になくなり、心電図が平らになった状態。
除細動は「でたらめに興奮している心筋をいったんリセットする」処置なので、電気活動そのものがない心静止では意味がなく、適応にならない。
やることは2つ。 ・質の高い胸骨圧迫を続ける ・アドレナリン1mgを静脈内に投与する(気づいたらすぐに、以後3〜5分ごとにくり返す)
アドレナリンは血管を縮めて心臓と脳へ流れる圧を高め、心拍が戻る可能性を上げる。
同時に、低酸素・出血による循環血液量の減少・低体温・中毒など、治せる原因がないかを探して取り除く。
- 1
ドパミン不正解
ドパミンは血圧を上げる薬で、心拍が戻ったあとの血圧維持に使う。心停止そのものの第一選択ではない。
- 2
アトロピン不正解
アトロピンは心拍数を上げる薬で、脈が遅くて症状がある徐脈に使う。心静止に決まって使うことは、効果が示されず今はすすめられていない。
- 3
リドカイン不正解
リドカインは心室性不整脈の薬で、除細動が効かない心室細動・無脈性心室頻拍に使う。電気活動のない心静止には適応がない。
- 4
アドレナリン正解
正しい。アドレナリンを静脈内に投与しながら、質の高い胸骨圧迫を続ける。
📚 国試でよく狙われるところ
心停止の波形は4つ。除細動が効くのは「電気が乱れている2つ」だけ。
- 胸骨圧迫は深さ5cm(6cmを超えない)・速さ100〜120回/分。押したあとは完全に胸を戻し、中断は10秒以内にする。
- 胸骨圧迫と人工呼吸の比は30:2。気管挿管などのあとは圧迫を続けながら6秒に1回換気する。
- 2分ごとに圧迫を交代し、心電図の波形を確認する。
| 波形 | 除細動 | 薬剤 |
|---|---|---|
| 心室細動 | 適応(直ちにショック) | アドレナリン+アミオダロン |
| 無脈性心室頻拍 | 適応(直ちにショック) | アドレナリン+アミオダロン |
| 心静止 | 適応にならない | アドレナリン |
| 無脈性電気活動 | 適応にならない | アドレナリン |
参考: 日本蘇生協議会「JRC蘇生ガイドライン2020」
出典:「第114回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について