第114回 看護師国家試験 午前 問16 解説
📝 問題
前立腺肥大症〈prostatic hyperplasia〉患者の頻尿の原因はどれか。
✅ 正解
2
💡 解説
✅ 残尿が増えて実際にためられる尿量が減るため、頻尿になる。
前立腺肥大症では、大きくなった前立腺が尿道を押しつぶして尿の出口が狭くなる。
そのため1回の排尿で膀胱を空にできず、残尿が増える。膀胱の大きさ自体は変わらないのに残尿が場所をふさぐので、新しくためられる量が減り、少し尿がたまっただけで尿意が起きて頻尿になる。夜間の頻尿も同じ仕組み。
症状は3つに分けて整理する。 ・蓄尿症状=頻尿、夜間頻尿、尿意切迫感 ・排尿症状=出始めが遅い、尿の勢いが弱い、腹圧をかけないと出ない ・排尿後症状=残尿感、排尿後のもれ
- 1
多尿不正解
多尿は1日の尿量が2,500〜3,000mLを超える状態。前立腺肥大症では1日の尿量そのものは増えず、1回量が減って回数が増える。
- 2
残尿量の増加正解
正しい。尿道が狭まって膀胱を空にできず残尿が増えるため、実際にためられる尿量が減って頻尿になる。
- 3
膀胱刺激症状不正解
膀胱刺激症状は、膀胱炎など炎症があるときに使う言い方。この問題が問う直接の原因ではない。
- 4
器質的膀胱容量の減少不正解
膀胱そのものが縮んで小さくなるのは、間質性膀胱炎や放射線性膀胱炎など。前立腺肥大症では膀胱の容量自体は減らない。
📚 国試でよく狙われるところ
症状そのものより、悪化のきっかけと観察のポイントが問われやすい。
- 残尿量100mL以上は排尿障害を疑う所見。
- 抗コリン薬・抗ヒスタミン薬・市販のかぜ薬は膀胱の収縮を抑え、急に尿が出なくなる(急性尿閉)の引き金になる。
- 尿道をゆるめる薬(α1遮断薬)は立ちくらみを起こすことがあるので、初めて飲むときは転倒に注意する。
- 前立腺特異抗原が高いと前立腺癌を疑うが、肥大症や前立腺炎、自転車に乗ったあとでも上がる。
参考: 日本泌尿器科学会「男性下部尿路症状・前立腺肥大症診療ガイドライン」
出典:「第114回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について