第114回 看護師国家試験 午前 問109 解説

状況設定母性看護学✔ 監修済み

📝 問題

次の文を読み109〜111の問いに答えよ。 Aさん(41歳、初妊婦、会社員)は夫(42歳、会社員)と2人で暮らしている。身長は158cm、非妊時体重55kgである。Aさんは妊娠16週3日に妊婦健康診査を受診し順調な経過と診断された。妊婦健康診査後「夫から、高齢妊娠だから安静にするよう言われ、夫が家事をしてくれています。妊娠前はバスケットボールを週に3回、毎日夕方に夫とウォーキングをしていました。今は仕事に行く以外は、家でなるべく動かないようにしています」とAさんが看護師に話した。 Aさんへの活動に関する助言で適切なのはどれか。

✅ 正解

2

💡 解説

✅ 経過が順調な妊娠中期なので、習慣にしていたウォーキングは再開してよい。

Aさんは妊娠16週3日で「順調な経過」と診断されている。妊娠に異常がなければ、必要のない安静はかえって害になる。動かないことで静脈血栓塞栓症、体重の増えすぎ、便秘、腰や背中の痛み、気分の落ち込みを招きやすい。

妊娠中の運動は、妊娠12〜13週以降の安定した時期に、有酸素運動を週2〜3回、「ややきつい」を超えない強さで行うことがすすめられる。

Aさんは妊娠前から毎日歩く習慣があり、無理なく続けられる。高齢妊娠を理由に安静をすすめる夫の思い込みには根拠を添えて説明し、夫婦で一緒に歩くという形で協力を活かすとよい。

  • 1

    「仕事は辞めましょう」不正解

    妊娠経過は順調で、仕事を続けられない医学的な理由はない。負担があるなら母性健康管理指導事項連絡カードで勤務の調整を図るのが先。

  • 2

    「ウォーキングを再開しましょう」正解

    正しい。ウォーキングは転ぶ危険が小さい有酸素運動で、体重管理・便秘や腰痛の軽減・血栓の予防に役立つ。

  • 3

    「週1回バスケットボールをやりましょう」不正解

    ぶつかる・跳ぶ・転ぶ危険が大きい競技で、腹部を打つと常位胎盤早期剝離につながるおそれがある。

  • 4

    「ご家族の言うように安静にしていましょう」不正解

    医学的に安静が必要な状態ではない。必要のない安静は血栓、体重の増えすぎ、便秘、筋力低下を招き、気持ちも塞ぎやすくなる。

📚 国試でよく狙われるところ

妊娠中の運動は「安定期に・有酸素で・転ばないものを・無理のない強さで」が原則。

  • 始める目安は妊娠12〜13週以降で経過に異常がないこと。週2〜3回、1回30〜60分程度。
  • 強さは心拍数150/分以下、自分の感覚で「ややきつい」まで。会話ができる程度が目安。
  • 中止すべきサイン=腹痛・性器出血・破水・強い子宮収縮・めまい・強い息切れ。
  • 高齢妊娠(35歳以上の初産)では妊娠高血圧症候群や妊娠糖尿病が増えるが、それは「安静にすべき理由」ではない。
妊娠中の運動の可否
すすめられるもの避けるもの
ウォーキング、マタニティスイミング、マタニティビクス、固定式自転車、ヨガ・ストレッチぶつかることの多い競技(バスケットボール・サッカー・柔道)、転びやすい運動(スキー・乗馬・体操)、スキューバダイビング、高地でのスポーツ、妊娠16週以降の仰向けでの運動

参考: 妊婦スポーツの安全管理基準(日本臨床スポーツ医学会)/産婦人科診療ガイドライン産科編

出典:「第114回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について

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