第113回 看護師国家試験 午後 問73 解説

一般人体の構造と機能✔ 監修済み

📝 問題

尿量の調節に深く関わるホルモンはどれか。

✅ 正解

5

💡 解説

✅ 尿量の調節に深く関わるホルモンはバソプレシンである。

バソプレシン(抗利尿ホルモン〈ADH〉)は視床下部で作られ、下垂体後葉から血液中に出される。腎臓の集合管に働いて水を体に戻す(再吸収する)ので、尿の量は減る。

他の4つは尿量の調節が主な働きではない。ガストリンは胃酸の分泌、カルシトニンは血中カルシウムの低下、グルカゴンは血糖の上昇、ソマトスタチンは他のホルモンの分泌を抑える方向に働く。「抗利尿ホルモン=水を戻す=尿量が減る」とつなげて覚える。

集合管とは

腎臓で尿ができていく管の最後の部分。ここで水をどれだけ血液側へ戻すかが決まり、尿の量が最終的に調節される。

  • 1

    ガストリン不正解

    ガストリンは胃酸分泌を促進する消化管ホルモンで、尿量調節には関与しない。

  • 2

    カルシトニン不正解

    カルシトニンは血中カルシウム濃度を低下させるホルモンである。

  • 3

    グルカゴン不正解

    グルカゴンは血糖を上昇させるホルモンである。

  • 4

    ソマトスタチン不正解

    ソマトスタチンは成長ホルモンなど各種ホルモンの分泌を抑制する。

  • 5

    バソプレシン正解

    バソプレシン(ADH)は集合管で水の再吸収を促進し、尿量を減少させて体液を調節する。

📚 ここも一緒におさえておこう

バソプレシンは、足りないとき(尿崩症)と出すぎるとき(SIADH)を対にして問われる。尿の量と濃さがちょうど逆になると覚える。

  • 尿崩症=ADHの作用不足。多尿・多飲になり、尿は薄い(低比重尿)
  • 抗利尿ホルモン不適合分泌症候群(SIADH)=ADHの出すぎ。尿は濃く少なくなり、体に水がたまって低ナトリウム血症になる
  • 尿量の目安=正常1日1,000〜1,500mL、乏尿は400mL/日未満、無尿は100mL/日未満、多尿は3,000mL/日以上
下垂体ホルモンと主な作用
部位ホルモン主な作用
前葉成長ホルモン〈GH〉成長促進、血糖上昇
前葉甲状腺刺激ホルモン〈TSH〉甲状腺ホルモンの分泌促進
前葉副腎皮質刺激ホルモン〈ACTH〉コルチゾールの分泌促進
前葉黄体形成ホルモン〈LH〉・卵胞刺激ホルモン〈FSH〉性腺の刺激、排卵・精子形成
前葉プロラクチン〈PRL〉乳汁産生
後葉バソプレシン〈ADH〉集合管での水の再吸収→尿量減少
後葉オキシトシン子宮収縮、射乳

後葉ホルモンは視床下部で産生され、下垂体後葉に運ばれて放出される。

参考: 内分泌生理(抗利尿ホルモン・バソプレシン)

出典:「第113回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について

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