第113回 看護師国家試験 午後 問45 解説
📝 問題
ヒト免疫不全ウイルス〈HIV〉に汚染された注射針による針刺し事故の感染率で正しいのはどれか。
✅ 正解
4
💡 解説
✅ HIV汚染針による針刺し事故の感染率は約0.3%である。
血液媒介ウイルスの針刺し事故による感染率は、ウイルスによって大きく異なる。HIVは約0.3%と比較的低く、C型肝炎ウイルス〈HCV〉は約3%、B型肝炎ウイルス〈HBV〉はHBe抗原陽性血で約30%と最も高い。
感染率の順序(HBV>HCV>HIV)は針刺し事故対策の基本知識として頻出である。 低率とはいえ、HIVに曝露したときは速やかに抗HIV薬の予防内服(曝露後予防)を検討する。
HBe抗原とは
B型肝炎ウイルスが体内で活発に増えているときに、血液へ出てくる目印。陽性の血液は感染力が強い。
- 1
40 %不正解
40%はいずれのウイルスの針刺し感染率よりも高く、該当しない。
- 2
10 %不正解
10%はHBV(約30%)とHCV(約3%)の中間程度で、HIVの感染率ではない。
- 3
2 %不正解
2%はHCV(約3%)に近い値で、HIVの感染率ではない。
- 4
0.3 %正解
HIVの針刺し事故による感染率は約0.3%である。
📚 国試でよく狙われるところ
針刺し事故では、感染リスクの違いと受傷直後の対応を確認する。
- 針刺し防止の基本はリキャップの禁止と耐貫通性容器への即時廃棄、安全機構付き器材の使用
- 医療従事者はB型肝炎ワクチンで予防できる(HCV・HIVにはワクチンがない)
- 受傷時は流水で洗浄し、必ず報告して曝露源の検査と曝露後対応につなげる
| ウイルス | 感染率の目安 | 曝露後の対応 |
|---|---|---|
| HBV | 約30%(HBe抗原陽性血) | 抗HBs抗体を確認し、必要に応じてHBIGとB型肝炎ワクチン(できるだけ早く) |
| HCV | 約3% | 予防薬・ワクチンはなく、定期的な検査で早期発見・早期治療 |
| HIV | 約0.3% | できるだけ早く(できれば2時間以内)抗HIV薬の予防内服を開始 |
参考: 針刺し・切創による血液媒介病原体の感染率(HBV・HCV・HIV)
出典:「第113回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について