第113回 看護師国家試験 午後 問43 解説
📝 問題
うっ血性心不全が疑われる患者が救急外来を受診した。その際、12誘導心電図検査、胸部エックス線検査に加えて行われる優先度が高い検査はどれか。
✅ 正解
2
💡 解説
✅ うっ血性心不全が疑われる患者では、心臓超音波検査の優先度が高い。
うっ血性心不全が疑われる場合、心電図・胸部エックス線に加えて、心臓超音波検査(心エコー)が優先される。心エコーは非侵襲的かつ迅速に、左室駆出率(EF)、心腔の大きさ、弁膜症、壁運動異常などを評価でき、心不全の原因検索と重症度評価に直結する。
ほかの検査は、侵襲性・被曝・所要時間の点で救急外来での優先度が下がる。 救急の初期評価では非侵襲的で情報量の多い検査を優先する。
左室駆出率とは
心臓が1回の収縮で、左心室にたまった血液の何%を送り出せたかを示す割合。ポンプとしての力の指標で、およそ50%以上が正常。
- 1
冠動脈CT検査不正解
冠動脈CTは造影剤・被曝を伴い、初期の優先検査としては適さない。
- 2
心臓超音波検査正解
心臓超音波検査は非侵襲的に心機能・弁膜症・壁運動を評価でき、優先度が高い。
- 3
心筋シンチグラム不正解
心筋シンチグラムは核医学検査で時間を要し、救急の初期評価には不向きである。
- 4
心臓カテーテル検査不正解
心臓カテーテル検査は侵襲的で、初期評価より必要に応じた精査で行う。
📚 ここも一緒におさえておこう
心不全は、検査値と症状の両面から重症度を問われる。
- BNP(脳性ナトリウム利尿ペプチド)は心不全の診断・重症度評価に有用で、100 pg/mL以上は心不全を考える目安となる。年齢・腎機能なども併せて判断する
- 自覚症状による重症度分類にはNYHA分類(Ⅰ〜Ⅳ度)を用いる
| 項目 | 左心不全 | 右心不全 |
|---|---|---|
| うっ血する部位 | 肺(肺うっ血) | 体循環(静脈系) |
| 主な症状 | 労作時呼吸困難・起坐呼吸・発作性夜間呼吸困難・湿性ラ音・ピンク色泡沫状痰 | 頸静脈怒張・肝腫大・下腿浮腫・体重増加・腹水 |
参考: 急性心不全診療の基本(心エコーの位置づけ)
出典:「第113回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について