第113回 看護師国家試験 午前 問75 解説

一般人体の構造と機能✔ 監修済み

📝 問題

声帯の運動や緊張度を調節する神経を分枝するのはどれか。

✅ 正解

4

💡 解説

✅ 声帯の運動と緊張を担う喉頭神経を分枝するのは迷走神経である。

声帯を動かす内喉頭筋は反回神経(下喉頭神経)、声帯の緊張を調節する輪状甲状筋は上喉頭神経外枝が支配する。これらの喉頭神経はいずれも第Ⅹ脳神経である迷走神経の枝である。

反回神経麻痺では嗄声や誤嚥が生じ、甲状腺手術の合併症としても重要である。声帯運動=迷走神経(反回神経)の対応を押さえたい。

  • 1

    三叉神経不正解

    三叉神経は咀嚼筋の運動と顔面の知覚を担い、声帯の運動には関与しない。

  • 2

    顔面神経不正解

    顔面神経は主に表情筋を支配し、喉頭の運動神経ではない。

  • 3

    舌咽神経不正解

    舌咽神経は舌後1/3の味覚や咽頭に関与するが、声帯運動を分枝しない。

  • 4

    迷走神経正解

    声帯を動かす反回神経や輪状甲状筋を支配する上喉頭神経は、いずれも迷走神経の枝である。

  • 5

    舌下神経不正解

    舌下神経は舌筋の運動を支配する神経で、声帯運動には関与しない。

📚 丸暗記より仕組みで覚えよう

脳神経は、どこを通ってどの筋を動かすかをたどると、麻痺したときに出る症状まで説明がつく。

  • 嚥下に関与する脳神経はⅤ・Ⅶ・Ⅸ・Ⅹ・Ⅻ。嚥下障害の評価では舌の動きや咽頭反射もあわせてみる。
  • 左反回神経は大動脈弓を回って上行するため走行が長く、大動脈瘤・肺癌・食道癌など胸部の病変でも麻痺しやすい。
  • 両側の反回神経麻痺では声門が開かず上気道閉塞を来すことがあり、抜管後の呼吸状態に注意する。
脳神経の主な働き(頻出のもの)
脳神経主な働き
Ⅴ 三叉神経顔面の知覚、咀嚼筋の運動、角膜反射の求心路
Ⅶ 顔面神経表情筋の運動、舌前2/3の味覚、涙腺・顎下腺・舌下腺の分泌
Ⅸ 舌咽神経舌後1/3の味覚、咽頭の知覚、耳下腺の分泌、嚥下(咽頭の挙上)
Ⅹ 迷走神経咽頭・喉頭の運動(反回神経が声帯を支配)、胸腹部内臓の副交感神経支配
Ⅺ 副神経胸鎖乳突筋・僧帽筋の運動
Ⅻ 舌下神経舌筋の運動(麻痺すると舌が患側へ偏位する)

参考: 標準的な解剖生理学(脳神経と喉頭の支配)

出典:「第113回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について

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