第113回 看護師国家試験 午前 問70 解説

一般在宅看護論✔ 監修済み

📝 問題

Aさん(90歳、男性)は要介護3となり、長男(60歳)と同居することになった。長男は「親を介護することがこんなに大変だとは思わなかった。親が衰えてつらいと感じるのは自分だけだろうか」と訪問看護師に話した。 訪問看護師の対応で最も適切なのはどれか。

✅ 正解

4

💡 解説

✅ 介護者の孤立感には、同じ立場の介護者を了解を得て紹介するのが最も適切である。

長男は「つらいと感じるのは自分だけだろうか」と、介護に伴う孤立感や不安を吐露している。この段階では、同じように親を介護している介護者を(その介護者の了解を得たうえで)紹介し、体験を分かち合えるピアサポートにつなぐことが、孤立感の軽減に最も適している。

まず気持ちを受け止め、孤立感に寄り添うことが優先される。

  • 1

    高齢者の介護方法について説明する。不正解

    介護方法の説明は知識提供にとどまり、孤立感や不安という感情面の訴えには応えていない。

  • 2

    訪問看護の時間中に長男に外出を促す。不正解

    訪問中の外出はレスパイトになりうるが、今の孤立感への最適な対応ではない。

  • 3

    Aさんの短期入所サービスの利用を勧める。不正解

    短期入所の提案は段階が早く、まず気持ちを受け止めることが優先される。

  • 4

    親の介護をしている介護者の了解を得て長男に紹介する。正解

    同じ立場の介護者を了解を得て紹介することは、孤立感の軽減に有効なピアサポートとなる。

📚 一緒に確認しよう

家族介護者への支援は、介護方法の指導だけでなく介護者自身を支援の対象としてとらえる視点が重要である。負担が高じると介護うつ・虐待・介護離職につながる。

  • レスパイトケア=短期入所(ショートステイ)、通所サービス、訪問看護・訪問介護などで介護者に休息の時間をつくる支援。
  • 同じ立場の介護者が体験を分かち合う介護者の会・家族会(ピアサポート)は、孤立感の軽減と対処法の共有に有効である。
  • 介護休業は対象家族1人につき通算93日まで、3回を上限に分割取得できる(育児・介護休業法)。介護休暇は年5日(対象家族2人以上は10日)。
  • 介護負担の評価にはZarit(ザリット)介護負担尺度が用いられる。

参考: 在宅看護における家族介護者支援の標準的考え方

出典:「第113回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について

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