第112回 看護師国家試験 午後 問78 解説
📝 問題
プリン体の代謝産物である尿酸で正しいのはどれか。
✅ 正解
1
💡 解説
✅ 尿酸は温度が下がると溶けにくくなり、下肢末端で結晶化しやすい。
プリン体の最終代謝産物である尿酸は、温度が低いほど溶けにくくなり、尿酸ナトリウムの結晶になって組織に沈着する。体温より温度が下がりやすい足の親指の付け根など下肢の末端は、痛風発作の好発部位になる。
他の選択肢は誤り。男性ホルモンは尿酸の腎からの排泄をむしろ抑え、女性ホルモンは排泄を促すため、高尿酸血症は男性と閉経後の女性に多い。激しい運動ではプリン体の代謝が進み、尿酸の産生はむしろ増える。サイアザイド系などの利尿薬は、尿酸の排泄を抑えて血中濃度を上げる。ヒトは尿酸を分解する酵素をもたないため、尿酸は肝臓で分解されず、そのまま腎から排泄される。
国試では、尿酸が低温で結晶化することと、血中濃度を上げる要因が繰り返し問われる。『冷えると固まる』と覚えると、足の先から発作が起きる理由も納得できる。
プリン体とは
細胞の核などに含まれる物質で、体の中で分解されると尿酸になる。レバー・魚卵・干物やビールに多い。
サイアザイド系とは
尿を出させて血圧を下げる利尿薬の代表。尿酸の排泄を抑えるため、血清尿酸値が上がりやすい。
- 1
下肢末端は温度が下がるので結晶化しやすい。正解
尿酸は温度が低いほど溶解度が下がり、体温より低い下肢末端で結晶化しやすく痛風発作の好発部位となる。
- 2
男性ホルモンによって腎排泄が増加する。不正解
男性ホルモンはむしろ尿酸の腎排泄を抑制する。排泄を増加させるのは誤りである。
- 3
激しい運動で産生が減少する。不正解
激しい運動ではプリン体代謝が亢進し尿酸産生はむしろ増加する。減少ではない。
- 4
利尿薬によって排泄される。不正解
利尿薬(サイアザイド系など)は尿酸排泄を抑制し血中尿酸を上げる。排泄されるとするのは誤りである。
- 5
肝臓で分解される。不正解
ヒトは尿酸を分解する酵素を欠くため肝臓で分解されず、そのまま腎から排泄される。
📚 丸暗記より仕組みで覚えよう
高尿酸血症は、基準値・上がる要因・生活指導をひとまとめに問われる。ヒトは尿酸を分解できないので、血中濃度が上がる理由は作りすぎか、捨てられないかの2つしかない。どの要因もこの2つのどちらかに当てはめて覚えよう。
- 高尿酸血症の定義は、性・年齢を問わず血清尿酸値7.0mg/dLを超えるもの。
- 痛風発作の好発部位は第1中足趾節関節(足の親指の付け根)。夜間から明け方に発赤・腫脹・激痛で発症する。
- 尿酸を上げる要因=プリン体の多い食品(レバー・魚卵・干物)、アルコール(特にビール)、脱水、サイアザイド系利尿薬、激しい無酸素運動、肥満。
- 1日2,000mL以上の飲水と尿のアルカリ化で尿路結石を予防する。
参考: 標準的な生化学・代謝(プリン体・尿酸代謝)/高尿酸血症・痛風の病態
出典:「第112回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について