第112回 看護師国家試験 午後 問75 解説
📝 問題
膀胱の蓄尿と排尿反射で正しいのはどれか。
✅ 正解
3
💡 解説
✅ 蓄尿時には内尿道括約筋が収縮して尿道を閉じ、尿が漏れるのを防いでいる。
蓄尿期は交感神経(下腹神経)が優位になる。膀胱の排尿筋は弛緩して尿をためやすくし、内尿道括約筋(平滑筋)は収縮して尿道を閉じ、尿が漏れるのを防ぐ。同時に、体性神経(陰部神経)が支配する外尿道括約筋(横紋筋)も収縮している。
他の選択肢は方向が誤り。排尿中枢は橋・仙髄にあり、自律神経と体性神経を介して制御される。ホルモンによる制御ではない。排尿反射は副交感神経(骨盤神経)を介して起こる。排尿時には外尿道括約筋は弛緩して尿を通し、蓄尿時の排尿筋は収縮ではなく弛緩している。
国試では、蓄尿と排尿のどちらでどの筋が動くかが繰り返し問われる。『ためるは交感、出すは副交感』と覚えると混同しにくい。
排尿筋とは
膀胱の壁をつくる平滑筋。縮むと膀胱の中の尿が押し出される。
陰部神経とは
外尿道括約筋を動かす体性神経。がまんしようと思って尿道を締められるのは、この神経が自分の意思で動かせるため。
- 1
排尿中枢はホルモンによって制御される。不正解
排尿中枢は橋・仙髄にあり自律神経・体性神経で制御される。ホルモンによる制御ではない。
- 2
排尿反射は交感神経を介して起こる。不正解
排尿反射は副交感神経(骨盤神経)を介して起こる。交感神経ではない。
- 3
蓄尿時に内尿道括約筋は収縮する。正解
蓄尿時は交感神経の働きで内尿道括約筋が収縮し、尿の漏出を防ぐ。
- 4
排尿時に外尿道括約筋は収縮する。不正解
排尿時には外尿道括約筋は弛緩して尿を通す。収縮ではない。
- 5
蓄尿時に排尿筋は収縮する。不正解
蓄尿時には排尿筋は弛緩している。収縮ではない。
📚 混同しやすいので注意
蓄尿と排尿は、交感神経・副交感神経・体性神経の3系統がそっくり逆向きに働いて切り替わる。表の縦1列を丸ごと覚えてしまえば、どの筋がどちらに動くかで迷わない。
- 排尿中枢は橋と仙髄(S2〜S4)にあり、ふだんは大脳皮質が随意的に抑えている。
- 初発尿意は膀胱内尿量約150〜250mL、最大尿意は約500mLが目安。
- 外尿道括約筋は横紋筋で随意的に収縮できるため、骨盤底筋訓練が腹圧性尿失禁に有効。
| 項目 | 蓄尿期 | 排尿期 |
|---|---|---|
| 優位な神経 | 交感神経(下腹神経・T11〜L2) | 副交感神経(骨盤神経・S2〜S4) |
| 排尿筋(膀胱平滑筋) | 弛緩 | 収縮 |
| 内尿道括約筋(平滑筋) | 収縮 | 弛緩 |
| 外尿道括約筋(陰部神経・横紋筋) | 収縮 | 弛緩 |
参考: 標準的な生理学(蓄尿・排尿反射と自律神経支配)
出典:「第112回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について