第112回 看護師国家試験 午後 問58 解説
📝 問題
母体保護法に規定されているのはどれか。
✅ 正解
4
💡 解説
✅ 経済的理由により母体の健康を著しく害するおそれのある場合の人工妊娠中絶は、母体保護法に規定されている。
母体保護法は、不妊手術および人工妊娠中絶に関する事項と母性の生命健康の保護を目的とする法律である。人工妊娠中絶は、母体の健康を著しく害するおそれのある場合(身体的・経済的理由)や、暴行等による妊娠の場合に、指定医師が本人と配偶者の同意を得て行えると規定されている。 経済的理由による人工妊娠中絶を定めているのは、この母体保護法である。
他の選択肢はいずれも別の法律の規定である。産後の休業(産後休業)は労働基準法、妊娠中の女性の危険有害業務の就業制限も労働基準法、妊娠したことを理由とした不利益な取扱いの禁止は男女雇用機会均等法に規定されている。
指定医師とは
母体保護法にもとづき都道府県の医師会が指定した医師。人工妊娠中絶を行えるのはこの医師に限られる。
- 1
産後の休業不正解
産後の休業は労働基準法に規定されている。
- 2
妊娠中の女性の危険有害業務の就業制限不正解
妊娠中の女性の危険有害業務の就業制限は労働基準法の規定である。
- 3
妊娠したことを理由とした不利益な取扱いの禁止不正解
妊娠を理由とした不利益な取扱いの禁止は男女雇用機会均等法に規定されている。
- 4
経済的理由により母体の健康を著しく害するおそれのある場合の人工妊娠中絶正解
経済的理由等により母体の健康を著しく害するおそれのある場合の人工妊娠中絶は母体保護法の規定である。
📚 国試でよく狙われるところ
母性を守る法律は、どの法律に何が書いてあるかを入れ替えて問われる。中身と法律名を対にして覚えよう。
- 人工妊娠中絶が行えるのは妊娠22週未満で、都道府県医師会の指定医師が実施する。原則として本人と配偶者の同意が必要(配偶者が不明・意思表示できない場合などは本人の同意のみでよい)。
| 法律 | 主な規定 |
|---|---|
| 母体保護法 | 不妊手術、人工妊娠中絶、受胎調節実地指導員(避妊の実地指導を行う助産師・保健師・看護師) |
| 労働基準法 | 産前6週・産後8週の休業、危険有害業務の就業制限、軽易業務への転換、育児時間、妊産婦の時間外・深夜業の制限 |
| 男女雇用機会均等法 | 妊娠・出産を理由とする不利益取扱いの禁止、保健指導・健康診査を受ける時間の確保 |
| 育児・介護休業法 | 育児休業(原則1歳まで)、子の看護等休暇(小学校3年生修了まで)、産後パパ育休 |
| 母子保健法 | 母子健康手帳の交付、妊産婦・乳幼児健康診査、低出生体重児の届出 |
参考: 母体保護法/労働基準法/男女雇用機会均等法
出典:「第112回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について