第112回 看護師国家試験 午後 問52 解説
📝 問題
令和元年(2019年)の国民生活基礎調査における高齢者の健康状態で正しいのはどれか。
✅ 正解
4
💡 解説
✅ 65歳以上の自覚症状で最も多いのは、男女とも腰痛である。
令和元年(2019年)の国民生活基礎調査では、65歳以上の有訴者の自覚症状で最も多いのは、男女ともに腰痛である。 全年齢でみると、令和元年の調査では女性は肩こりが1位だったが、最新の調査では男女とも腰痛が1位になっている。
他の記述は数値や傾向が誤っている。75歳以上の通院率は高いものの「約9割」というほどではない。65歳以上の有訴者率は3割台〜4割台程度で、「半数以上」とはいえない。外来受療率は年齢が上がるほど一律に高くなるわけではなく、高齢の後期になると入院が増え外来受療率はむしろ頭打ち・低下に転じる傾向がある。
有訴者とは
病気やけがなどで自覚症状のある人。入院している人は含まない。国民生活基礎調査では人口千人あたりの「有訴者率」で示される。
受療率とは
ある1日に医療機関を受診した人が、人口10万人あたり何人いるかを示す割合。患者調査で調べる。
- 1
75歳以上の通院率は約9割である。不正解
75歳以上の通院率は高いものの約9割というほどではない。
- 2
65歳以上の半数以上が有訴者である。不正解
65歳以上の有訴者率は3〜4割台程度で、半数以上とはいえない。
- 3
65歳以上の外来受療率は年齢が上がるほど高くなる。不正解
外来受療率は年齢が上がるほど一律に高くなるわけではなく、後期高齢では頭打ち・低下傾向となる。
- 4
65歳以上の自覚症状で男女とも最も多いのは腰痛である。正解
65歳以上の自覚症状は男女とも腰痛が最も多い上位症状である。
📚 混同しやすいので注意
高齢者の統計は、有訴者率・通院者率・受療率と、名前の似た指標が並ぶ。数字より先に、その指標がどの調査から出たものかで正誤が決まる。
- 有訴者率・通院者率は国民生活基礎調査、受療率・推計患者数は患者調査で得られる。出典を取り違えないこと。
| 指標 | 内容 |
|---|---|
| 有訴者率 | 人口千対でおよそ300。年齢とともに上昇し、65歳以上では約4割 |
| 65歳以上の自覚症状 | 男女とも腰痛が最も多く、肩こり・手足の関節痛が続く |
| 通院者率 | 人口千対でおよそ400。65歳以上では約7割で、傷病別では男女とも高血圧症が最多 |
| 介護が必要となった主な原因 | 認知症が最多。脳血管疾患、高齢による衰弱、骨折・転倒が続く |
参考: 厚生労働省「国民生活基礎調査」(令和元年)
出典:「第112回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について