第112回 看護師国家試験 午前 問83 解説
📝 問題
成人におけるバイタルサインで緊急に対応が必要なのはどれか。
✅ 正解
2
💡 解説
✅ 成人のバイタルサインで緊急に対応が必要なのは、低体温にあたる体温34.4℃である。
体温34.4℃は明らかな低体温である(一般に深部体温35℃未満を低体温症とする)。循環・意識・凝固などへの影響が生じうるため、緊急の対応が必要になる。
他の項目は緊急対応を要する値ではない。脈拍70/分(成人の正常は約60〜100/分)、呼吸数14/分(成人の正常は約12〜20/分)、GCS 15点(満点=意識清明)はいずれも正常範囲で、血圧130/80 mmHgは高値血圧にあたるが、その場ですぐ対応を要する値ではない。
高値血圧とは
収縮期130〜139 mmHgまたは拡張期80〜89 mmHgの範囲を指す区分。高血圧(140/90 mmHg以上)の一歩手前という位置づけ。
- 1
脈拍70/分不正解
脈拍70/分は成人の正常範囲(約60〜100/分)であり、緊急対応は不要である。
- 2
体温34.4℃正解
体温34.4℃は低体温(35℃未満)であり、循環・意識への影響が生じうるため緊急対応が必要である。
- 3
呼吸数14/分不正解
呼吸数14/分は成人の正常範囲(約12〜20/分)であり、緊急対応は不要である。
- 4
血圧130/80 mmHg不正解
血圧130/80 mmHgは高値血圧にあたるが、緊急対応を要する値ではない。
- 5
グラスゴー・コーマ・スケール〈GCS〉15点不正解
GCS 15点は意識清明(満点)を意味し、緊急対応は不要である。
📚 国試でよく狙われるところ
バイタルサインは正常範囲から逸脱しているかで緊急度を判断する。成人の基準値は確実に覚えておく。 低体温症と意識レベルの評価は、区切りの数値まで覚えておく。
- 低体温症は深部体温35℃未満。32〜35℃が軽症(ふるえ)、28〜32℃が中等症(ふるえの消失・意識障害)、28℃未満が重症
- 重症低体温では心室細動を起こしやすいため、保温とともに愛護的な取り扱い(急激な体位変換を避ける)が必要
- JCSは意識の程度を数字で表す日本の評価法で、3-3-9度方式とも呼ばれ、数字が大きいほど意識障害が重い。
- それに対しGCSは開眼・言語・運動の3項目で最高15点・最低3点点数が低いほど重症度・緊急度が高い
| 項目 | 基準値の目安 | 逸脱の呼称 |
|---|---|---|
| 体温(腋窩) | 36.0〜37.0℃ | 35℃未満=低体温、37.5℃以上=発熱 |
| 脈拍 | 60〜100回/分 | 100回/分超=頻脈、60回/分未満=徐脈 |
| 呼吸 | 12〜20回/分 | 24回/分以上=頻呼吸、12回/分未満=徐呼吸 |
| 血圧 | 収縮期120未満/拡張期80未満 mmHg(正常血圧) | 130〜139/80〜89 mmHg=高値血圧、診察室血圧140/90 mmHg以上=高血圧 |
| SpO₂ | 96〜99% | 90%未満は呼吸不全の目安 |
| 意識(GCS) | 15点(満点) | 8点以下は重症で気道確保を要する |
参考: 標準的なバイタルサインの正常値と低体温の基準
出典:「第112回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について