第112回 看護師国家試験 午前 問53 解説

一般老年看護学✔ 監修済み

📝 問題

老化に伴う血液・造血器系の変化で適切なのはどれか。

✅ 正解

4

💡 解説

✅ 老化に伴って造血機能が低下するため、赤血球数は減少する。

加齢に伴い造血機能は徐々に低下し、赤血球数(および血色素量)は減少傾向を示す。 高齢者に貧血が多くみられる背景の一つである。

他の選択肢は加齢変化の方向が誤っている。腎臓から分泌され赤血球産生を促すエリスロポエチンは、加齢や腎機能低下に伴い低下する傾向にあり、増加ではない。造血を担う赤色骨髄は加齢とともに脂肪組織に置き換わるため、脂肪髄である黄色骨髄はむしろ増加する(減少ではない)。顆粒球などの白血球は、加齢で著明に増加するわけではない。

  • 1

    エリスロポエチンが増加する。不正解

    エリスロポエチンは加齢や腎機能低下に伴い低下する傾向にあり、増加ではない。

  • 2

    黄色骨髄が減少する。不正解

    加齢では赤色骨髄が脂肪髄(黄色骨髄)に置き換わり、黄色骨髄はむしろ増加する。

  • 3

    顆粒球数が増加する。不正解

    顆粒球(白血球)が加齢で著明に増加するわけではない。

  • 4

    赤血球数が減少する。正解

    加齢に伴う造血機能の低下により赤血球数は減少し、高齢者の貧血の一因となる。

📚 ここも一緒におさえておこう

高齢者の加齢変化は、系統ごとにまとめて問われる。変化そのものと、そこから起こりやすい問題をセットで覚える。

  • 高齢者の貧血は消化管出血や悪性腫瘍が隠れていることがあり、加齢変化と決めつけず原因検索が必要
高齢者の主な加齢変化
系統変化
血液・造血赤血球数・ヘモグロビンの低下、エリスロポエチンの低下、赤色骨髄が黄色骨髄へ置換、免疫能の低下
循環収縮期血圧の上昇と脈圧の増大、血圧の変化に応じて心拍や血管を調節する圧受容器反射の低下による起立性低血圧
呼吸肺の弾力が落ちることによる肺活量の低下と残気量(吐き切っても肺に残る空気)の増加、線毛運動・咳嗽反射の低下による誤嚥性肺炎
腎・泌尿糸球体濾過量の低下、尿濃縮力の低下による夜間頻尿・脱水
消化唾液分泌の低下、腸蠕動の低下による便秘
感覚老視、高音域からの難聴、味覚(特に塩味)の閾値上昇
体液体内水分量の低下(成人約60%→高齢者約50%)で脱水になりやすい

参考: 老年看護学・高齢者の加齢変化に関する標準的看護学教科書

出典:「第112回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について

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