第112回 看護師国家試験 午前 問25 解説
📝 問題
母乳栄養の児に不足しやすいのはどれか。
✅ 正解
5
💡 解説
✅ 母乳栄養児に不足しやすいのはビタミンKである。
母乳はビタミンKの含有量が少なく、新生児は腸内細菌によるビタミンK産生も未熟なため、母乳栄養児ではビタミンKが不足しやすい。ビタミンKは血液凝固因子の合成に必要で、欠乏すると新生児メレナ(消化管出血)や特発性乳児ビタミンK欠乏症(頭蓋内出血)を起こすことがある。
国試では母乳の特性とビタミンK欠乏の予防が頻出する。 予防のため、ビタミンK₂シロップを出生後と生後1週(産科退院時)に投与し、その後は生後3か月まで週1回続ける。 「母乳=ビタミンKが不足しやすい→ビタミンK₂シロップで予防」という流れをセットで覚えておくとよい。
- 1
ビタミンA不正解
ビタミンAは母乳栄養児に特に不足しやすい栄養素ではない。
- 2
ビタミンB不正解
ビタミンBは母乳栄養児で特徴的に不足するものではない。
- 3
ビタミンC不正解
ビタミンCは母乳にも含まれ、特に欠乏が問題となる栄養素ではない。
- 4
ビタミンE不正解
ビタミンEは母乳栄養児で不足が問題となる代表的な栄養素ではない。
- 5
ビタミンK正解
母乳はビタミンK含有量が少なく、欠乏により新生児・乳児の出血を来しうる。
📚 ここも一緒におさえておこう
母乳栄養では、ビタミンK欠乏性出血症の予防のシロップの投与方法と出血したときの症状、母乳の利点や不足しやすい成分が問われる。
- ビタミンK₂シロップは、従来出生後(哺乳確立時)・生後1週(産科退院時)・1か月健診の計3回投与とされてきた
- 現在は生後3か月まで週1回・計13回投与する方法が推奨されている
- 頭蓋内出血では不機嫌・哺乳不良・嘔吐・けいれん・大泉門膨隆に注意する
| 側面 | 内容 |
|---|---|
| 利点 | 分泌型IgA・ラクトフェリン・リゾチームによる感染防御、消化吸収がよい、母子相互作用、子宮が元の大きさへ戻る子宮復古の促進、経済的 |
| 不足しやすい成分 | ビタミンK、ビタミンD、鉄(生後6か月ごろから) |
| 注意点 | 母体の薬剤・アルコール・カフェインの移行、母乳を介して児に感染するHTLV-1やHIV感染では授乳方法を検討する |
参考: 標準的な母性・小児看護学(ビタミンK欠乏性出血症の予防)
出典:「第112回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について