第111回 看護師国家試験 午後 問96 解説

状況設定成人看護学✔ 監修済み

📝 問題

次の文を読み94~96の問いに答えよ。 Aさん(38歳、会社員、女性)は夫と2人暮らし。通勤中に突然の頭痛を訴えて倒れ、救急搬送された。入院後に行った頭部CT検査および頭部MRI検査で、脳腫瘍と診断された。Aさんは脳腫瘍摘出のために開頭術を受けた。 放射線療法と化学療法が開始されて10日が経過した。Aさんはガーデニングの趣味があり、庭が気になるため週末の外泊を希望し、主治医から許可が出た。 外泊にあたりAさんへの説明として適切なのはどれか。2つ選べ。

✅ 正解

3・5

💡 解説

✅ 化学療法中の骨髄抑制期は易感染・出血に注意し、ガーデニング時の手袋着用と性交渉時のコンドーム使用が適切。

Aさんは放射線療法と抗癌薬(化学療法)を受けており、骨髄抑制による易感染状態(好中球減少)が問題となる。土や植物には細菌・真菌が多く、外傷や感染のリスクが高いため、ガーデニングの際は手袋を着用して手の傷や土壌からの感染を防ぐ必要がある。

また抗癌薬は精液・体液中に一定期間排泄され、催奇形性・粘膜への影響が懸念されるため、化学療法中および一定期間は性交渉時にコンドームを使用する。

入浴は清潔を保つうえで有用で、控える必要はない。生ものなど感染源になる食品への配慮は要るので、「制限はない」とは言い切れない。発熱を伴わない咳も感染の初期徴候でありうるため、様子見にはしない。

骨髄抑制とは

抗癌薬や放射線で骨髄の血液を作る力が落ちること。白血球・血小板・赤血球が減り、感染や出血を起こしやすくなる。

催奇形性とは

胎児の体の作られ方に異常を起こす性質。多くの抗癌薬がこの性質をもつため、治療中の妊娠は避ける。

  • 1

    「入浴は控えてください」不正解

    入浴は清潔保持につながり制限不要。控える必要はない。

  • 2

    「食べ物の制限はありません」不正解

    易感染状態では生ものなど感染源となる食品への配慮が必要で、「制限はない」とは言い切れない。

  • 3

    「ガーデニングの時は手袋をしてください」正解

    土壌は感染源となり外傷リスクも高い。骨髄抑制期のガーデニングは手袋着用が適切。

  • 4

    「発熱を伴わない咳は様子を見てください」不正解

    発熱を伴わない咳も感染徴候でありうる。易感染状態では様子見でなく早めの報告が必要。

  • 5

    「性交渉の時はコンドームを使用してください」正解

    抗癌薬は体液中に排泄され催奇形性の懸念もあるため、性交渉時のコンドーム使用が適切。

📚 国試でよく狙われるところ

化学療法中の生活指導は、してよいことと避けることを入れ替えて問われる。「清潔は保つ・傷と土は避ける・熱と咳はすぐ報告」の3つで覚えよう。 抗癌薬の骨髄抑制では、投与後おおむね7〜14日ころに白血球(好中球)が最低(nadir)となる。この時期の発熱は緊急事態(発熱性好中球減少症)として、ただちに受診・報告するよう指導する。

  • 感染予防=手洗い・うがい・人混みを避ける、加熱不十分な食品を控える、土や動物に触れるときは手袋を使う。
  • 血小板減少期は軟毛の歯ブラシを使い、鼻を強くかまない、打撲・転倒に注意する。
  • 抗癌薬は体液・排泄物中に排泄されるため、一定期間は排泄物の取り扱いに注意し、性交渉ではコンドームを使用する。

出典:「第111回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について

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