第111回 看護師国家試験 午後 問41 解説
📝 問題
成人の後腸骨稜からの骨髄穿刺で正しいのはどれか。
✅ 正解
3
💡 解説
✅ 骨髄穿刺では骨髄液吸引時に痛みが生じる。
骨髄穿刺は成人では後腸骨稜(腸骨後上棘のあたり)から行うことが多く、そのときは腹臥位または側臥位をとる。 局所麻酔をしても、骨髄液を吸い出す瞬間は骨髄腔の中が陰圧になり、特有の強い痛み(吸引痛)が生じる。この痛みはあらかじめ説明しておく。
他の選択肢は、体位・穿刺中の声かけ・当日の生活の点で誤っている。後腸骨稜からの穿刺は腹臥位・側臥位で行うため、仰臥位では穿刺部位に届かない。 穿刺中は体が動くと危険なので、深呼吸を促すのではなく、動かずにいられるよう支える。 終了後は穿刺部からの出血と感染を防ぐため圧迫止血し、当日の入浴(特に浴槽につかること)は避ける。シャワーの可否は医師の指示に従う。
骨髄穿刺とは
骨に針を刺して骨髄液を吸い出し、血液をつくる細胞を調べる検査。白血病などの診断に使う。
後腸骨稜とは
腰の後ろで手に触れる骨盤のふちの出っぱり。成人の骨髄穿刺で最初に選ぶ部位。
- 1
仰臥位で行う。不正解
後腸骨稜からの穿刺は腹臥位・側臥位で行う。仰臥位では穿刺できない。
- 2
穿刺時は深呼吸を促す。不正解
体動を防ぐため安静を保つよう説明する。深呼吸を促す必要はない。
- 3
骨髄液吸引時に痛みが生じる。正解
局所麻酔をしても骨髄液吸引時は骨髄腔内が陰圧となり特有の痛みが生じる。
- 4
終了後、当日の入浴は可能である。不正解
穿刺部の出血・感染防止のため当日の入浴は避けるのが一般的である。
📚 国試でよく狙われるところ
骨髄穿刺は、目的・部位・体位・終了後の観察をひとまとめにして問われる。 骨髄液が採取できないことをdry tap(ドライタップ)といい、骨髄線維症や骨髄の著しい低形成が疑われて骨髄生検が行われる。
- 目的=白血病・悪性リンパ腫・多発性骨髄腫・再生不良性貧血など造血器疾患の診断と治療効果の判定。
- 穿刺部位は成人では後腸骨稜(腸骨後上棘)が第一選択。胸骨でも行えるが(この場合は仰臥位)、心臓・大血管損傷の危険があり慎重を要する。
- 終了後は5〜10分の圧迫止血を行う。出血傾向のある患者ではさらに長く圧迫し、穿刺部の出血・血腫・疼痛を観察する。
- 検査中は体位を保持できるよう支え、痛みが生じることをあらかじめ説明して不安を軽減する。
出典:「第111回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について