第111回 看護師国家試験 午後 問37 解説
📝 問題
医療器材と消毒・滅菌の組合せで正しいのはどれか。
✅ 正解
2
💡 解説
✅ ステンレス製便器は熱水消毒の組合せが正しい。
スポルディングの分類では、器材が「どこに触れるか」で必要な処理が決まる。 ステンレス製便器は粘膜にも無菌組織にも触れないノンクリティカル器材で、熱水消毒(ウォッシャーディスインフェクターによる80℃・10分程度)が適切な組合せである。
他の組合せは、器材の分類と処理のレベルが合っていない。手術用持針器は無菌組織に使うクリティカル器材で、低水準消毒薬の第4級アンモニウム塩では足りず、高圧蒸気滅菌が必要である。 軟性内視鏡は熱に弱く高圧蒸気滅菌ができないため、グルタラールや過酢酸などの高水準消毒を行う。 ベッド柵は環境表面のノンクリティカルで、高水準消毒薬のグルタラールは過剰なうえ毒性が強い。通常はアルコールや第4級アンモニウム塩で清拭する。
グルタラールとは
軟性内視鏡などに使う高水準消毒薬。人体には使えず、蒸気を吸わないよう換気と手袋・マスクが要る。
第4級アンモニウム塩とは
逆性石けんともよばれる低水準消毒薬。皮膚や環境表面の清拭に使い、器材の滅菌には使えない。
- 1
手術用持針器 ── 第4級アンモニウム塩不正解
持針器はクリティカル器材で滅菌が必要。低水準消毒薬の第4級アンモニウム塩では不十分。
- 2
ステンレス製便器 ── 熱水消毒正解
ステンレス製便器はノンクリティカルで、熱水消毒が適切な組合せである。
- 3
軟性内視鏡 ── 高圧蒸気滅菌不正解
軟性内視鏡は熱に弱く高圧蒸気滅菌不可。グルタラール等の高水準消毒を用いる。
- 4
ベッド柵 ── グルタラール不正解
ベッド柵に高水準消毒薬グルタラールは過剰かつ毒性が強く不適。清拭でよい。
📚 国試でよく狙われるところ
消毒・滅菌は器材と処理の組合せで問われる。器材を見たら「どこに触れるか」を先に決めると、必要な処理が決まる。
- 滅菌法=高圧蒸気滅菌(オートクレーブ)が最も確実で安価。熱に弱い器材には酸化エチレンガス(EOG)滅菌・過酸化水素低温プラズマ滅菌・放射線滅菌を用いる。
- 高水準消毒薬=グルタラール・過酢酸・フタラール(人体には使用しない。換気と防護具が必要)。
- 中水準=次亜塩素酸ナトリウム・消毒用エタノール・ポビドンヨード。低水準=第4級アンモニウム塩・クロルヘキシジン。
- ノロウイルスにはアルコールが効きにくい。流水と石けんで手を洗い、次亜塩素酸ナトリウムで環境を消毒する。
| 分類 | 接触する部位 | 必要な処理 | 器材の例 |
|---|---|---|---|
| クリティカル | 無菌組織・血管内 | 滅菌 | 手術器械、持針器、注射針、血管カテーテル |
| セミクリティカル | 粘膜・損傷皮膚 | 高水準〜中水準消毒 | 軟性内視鏡、喉頭鏡、呼吸器回路 |
| ノンクリティカル | 健常な皮膚・環境表面 | 低水準消毒、洗浄・清拭 | 便器、血圧計マンシェット、ベッド柵、床頭台 |
出典:「第111回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について