第111回 看護師国家試験 午後 問3 解説
📝 問題
職業性疾病のうち情報機器〈VDT〉作業による健康障害はどれか。
✅ 正解
2
💡 解説
✅ 情報機器〈VDT〉作業による健康障害は視力障害である。
情報機器〈VDT〉作業は長時間の画面凝視と同一姿勢を伴い、眼精疲労・視力低下、頸肩腕症候群、精神的ストレスなどを引き起こす。 選択肢のうちこれに当たるのは「視力障害」である。
他の職業性疾病は原因が異なる。じん肺は粉じん(鉱山・石綿など)の吸入、振動障害は削岩機・チェーンソーなどの局所振動(白ろう病・レイノー現象)、皮膚障害は化学物質やアレルゲンへの接触が原因である。 「情報機器作業=眼と肩・首」と結びつけて覚えるとよい。
厚生労働省は「情報機器作業における労働衛生管理のためのガイドライン」で、連続作業1時間ごとの休止や照明・画面配置の調整、定期健診での眼科的検査などを求めている。
VDT〈ブイディーティー〉とは
コンピュータなどの表示画面(端末)のこと。これを見ながら行う作業をVDT作業(現在は「情報機器作業」)とよぶ。
頸肩腕症候群とは
首・肩・腕に、こりや痛み、しびれが続く状態。同じ姿勢での作業や上肢の使いすぎで起こる。
- 1
じん肺不正解
じん肺は粉じんの長期吸入による肺の線維化で、VDT作業とは無関係。
- 2
視力障害正解
画面凝視による眼精疲労・視力低下はVDT作業の代表的健康障害である。
- 3
振動障害不正解
振動障害はチェーンソー等の局所振動工具による末梢循環・神経障害。
- 4
皮膚障害不正解
皮膚障害は化学物質やアレルゲンへの接触が原因で、VDT作業では生じにくい。
📚 国試でよく狙われるところ
職業性疾病は、原因となる作業と病名を入れ替えて問われる。作業と起こる障害を対にして覚えよう。 労働安全衛生法に基づき、事業者は労働者に一般健康診断を実施し、有害業務に従事する者にはさらに特殊健康診断を行う義務がある。
- 常時50人以上の労働者を使用する事業場には産業医と衛生管理者の選任、衛生委員会の設置が義務づけられる。
- 同じく常時50人以上の事業場ではストレスチェックの実施が義務。
| 原因・作業 | 主な健康障害 |
|---|---|
| 粉じん(鉱山・採石・研磨) | じん肺(肺の線維化) |
| 石綿(アスベスト) | 中皮腫、肺癌、石綿肺 |
| 振動工具(削岩機・チェーンソー) | 振動障害(レイノー現象=白ろう病) |
| 高温環境 | 熱中症 |
| 高気圧・潜水作業 | 減圧症 |
| 有機溶剤 | 中枢神経障害、肝・腎障害、皮膚障害 |
| 情報機器〈VDT〉作業 | 眼精疲労・視力低下、頸肩腕症候群、精神的ストレス |
参考: 厚生労働省「情報機器作業における労働衛生管理のためのガイドライン」
出典:「第111回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について