第111回 看護師国家試験 午後 問114 解説

状況設定在宅看護論✔ 監修済み

📝 問題

次の文を読み112~114の問いに答えよ。 Aさん(65歳、女性、要支援1)は1人暮らし。慢性心不全で定期的に外来受診していた。下肢の浮腫と息切れを自覚し、心不全の増悪があると診断されて入院となった。入院治療によって、両下肢に軽度の浮腫はあるが歩行による息切れは消失し、退院することになった。Aさんは退院後の生活について「近くのスーパーに歩いて買い物に行くのが楽しみですが、息切れが心配です。何に気をつけたらよいですか」と病棟看護師に話した。 退院後3週、Aさんの浮腫は改善し心不全の増悪もなかった。Aさんは「同年代の人との交流を広げたいと思っています。利用できるサービスはありますか」と訪問看護師に質問した。 訪問看護師が地域包括支援センターに相談してAさんに提案する社会資源はどれか。

✅ 正解

1

💡 解説

✅ 同年代との交流を広げたい高齢者には、地域の高齢者サロンを提案する。

Aさんは心不全が落ち着き、「同年代の人との交流を広げたい」と話している。 高齢者サロンは、地域住民やボランティアが運営する通いの場で、近所の高齢者が気軽に集まって交流や活動を楽しめる。介護予防と社会的孤立の防止がねらいで、自分で出歩ける要支援1のAさんの希望にそのまま合う。

療養通所介護は医療的なケアを必要とする人、通所リハビリテーションは医師の指示でリハビリを受ける人のためのもので、どちらもいまのAさんには重すぎる。 共同生活援助(グループホーム)は住まいの場であり、1人暮らしを続けるAさんが求めているものではない。

療養通所介護とは

常に看護師の見守りが必要な重度の要介護者や難病の人が通う、定員の小さな通所サービス。看護師が配置される点がふつうのデイサービスと違う。

  • 1

    高齢者サロン正解

    高齢者サロンは地域の通いの場で、交流・介護予防を目的とする。交流を広げたいAさんに最適。

  • 2

    療養通所介護不正解

    療養通所介護は難病・重度要介護など医療的ケアを要する人が対象。交流目的には不適合。

  • 3

    通所リハビリテーション不正解

    通所リハビリは医師の指示でリハビリを行うサービス。交流拡大のニーズには過剰。

  • 4

    共同生活援助〈グループホーム〉不正解

    グループホームは共同生活の住まいの場。1人暮らしを続ける本例の目的と異なる。

📚 ここも一緒におさえておこう

高齢者が「通う場」は名前を入れ替えて問われる。交流が目的か、機能訓練が目的かで仕分けて覚えよう。 地域包括支援センターは、本人と地域資源をつなぐ窓口である。介護保険サービスに限らず、住民主体の通いの場やボランティアなどのインフォーマルサービスも含めて提案できる点が強みになる。

  • 選択肢の共同生活援助(グループホーム)は障害者総合支援法のサービス。介護保険の認知症対応型共同生活介護も「グループホーム」と呼ばれ、名称が紛らわしい。
  • フォーマルサービス=制度に基づくサービス、インフォーマルサービス=家族・近隣・ボランティア・サロンなど制度外の支援。
  • 介護予防・日常生活支援総合事業(総合事業)は、要支援者と基本チェックリスト該当者が利用できる。
高齢者が「通う場」の違い
資源目的位置づけ
高齢者サロン・通いの場交流・介護予防住民主体(地域支援事業の一般介護予防事業)
通所介護(デイサービス)入浴・食事・機能訓練・社会参加介護保険の居宅サービス
通所リハビリテーション(デイケア)医師の指示によるリハビリテーション介護老人保健施設・病院等が実施
療養通所介護常時看護師の観察を要する重度者・難病・末期がんの療養介護保険(医療ニーズの高い人が対象)

出典:「第111回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について

この問題をアプリで演習しませんか?

この1問を演習する(無料)第111回の問題一覧を見る