第111回 看護師国家試験 午前 問7 解説
📝 問題
胎児循環で胎児から胎盤に血液を送るのはどれか。
✅ 正解
3
💡 解説
✅ 胎児から胎盤へ血液を送るのは臍動脈である。
胎児循環では、胎児の心臓から出た血液は臍動脈を通って胎盤へ送られる。胎盤で酸素と栄養を受け取った血液は臍静脈を通って胎児へ戻る。
動脈・静脈という呼び名は、血液の中身ではなく流れる向きで決まる。心臓から出ていく血管が動脈、心臓へ戻る血管が静脈である。 臍動脈を流れているのは酸素の少ない静脈血、臍静脈を流れているのは酸素の多い動脈血で、この逆転が国試のひっかけになる。
覚え方は「臍帯には動脈2本・静脈1本」。胎児から胎盤へ出ていくほうが動脈、と向きで押さえる。
静脈血とは
酸素が少なく、二酸化炭素や老廃物を多く含む血液。動脈を流れるか静脈を流れるかではなく、血液の中身で決まる呼び方。
- 1
総頸動脈不正解
総頸動脈は頭頸部へ血液を送る動脈で、胎盤循環には関与しない。
- 2
肺動脈不正解
肺動脈は右心室から肺へ向かうが、胎児期は動脈管を介して大部分がバイパスされる。
- 3
臍動脈正解
臍動脈は胎児から胎盤へ静脈血(老廃物を含む血液)を送る。臍帯内に2本ある。
- 4
臍静脈不正解
臍静脈は胎盤から胎児へ酸素・栄養に富む血液を運ぶ、向きが逆の血管。
📚 ここも一緒におさえておこう
胎児循環は、3つの短絡がどこからどこへつながるかを問われる。経路と出生後に残る名前を対にして覚えよう。
- 臍静脈を流れる血液が最も酸素飽和度が高く、静脈管(アランチウス管)を通って下大静脈へ流れる。
- 卵円孔と動脈管(ボタロー管)は、まだ働いていない肺を迂回するための短絡。出生後に閉じて卵円窩・動脈管索となる。
| 胎児期 | 短絡の経路 | 出生後 |
|---|---|---|
| 静脈管(アランチウス管) | 臍静脈 → 下大静脈 | 静脈管索 |
| 卵円孔 | 右心房 → 左心房 | 卵円窩 |
| 動脈管(ボタロー管) | 肺動脈 → 大動脈 | 動脈管索 |
| 臍動脈 | 内腸骨動脈 → 胎盤 | 臍動脈索 |
出典:「第111回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について