第111回 看護師国家試験 午前 問55 解説
📝 問題
高齢者の健康障害の特徴で正しいのはどれか。
✅ 正解
4
💡 解説
✅ 高齢者は薬物の副作用(有害事象)が発生しやすい。
高齢者は肝・腎機能の低下によって薬の代謝と排泄が遅れ、体内に薬がたまりやすい。いくつもの薬を同時に飲む多剤併用(ポリファーマシー)や体組成の変化も重なり、薬物の副作用(有害事象)が起こりやすくなる。
高齢者の健康障害には、ほかにも共通した特徴がある。症状の出方が非定型で、肺炎でも発熱や咳が乏しいことがある。複数の疾患を併存しやすく、治療の効果は現れにくくて回復に時間がかかる。心理的・社会的な要因の影響も受けやすい。
ポリファーマシーとは
必要以上に多くの薬を併用し、副作用や飲み間違いが起こりやすくなっている状態。薬の数が多いことだけを指すのではない。
有害事象とは
薬を使ったあとに起きた好ましくない出来事のこと。薬が原因とはっきりした「副作用」より広く、因果関係がまだ分からないものも含む。
- 1
症状の出現は定型である。不正解
高齢者は症状が非定型的で、典型的な症状が出にくいのが特徴である。
- 2
治療の効果が現れやすい。不正解
高齢者は治療効果が現れにくく回復に時間がかかる傾向がある。
- 3
疾患の発生に心理的要因の影響は少ない。不正解
高齢者は心理的・社会的要因の影響を受けやすく、少ないとはいえない。
- 4
薬物の副作用〔有害事象〕が発生しやすい。正解
肝・腎機能低下や多剤併用により、薬物の副作用(有害事象)が発生しやすい。
📚 国試でよく狙われるところ
高齢者は「症状が出にくく、薬の副作用が出やすい」が基本像。体のどこが変わるとどの薬がどうなるかを、矢印でつないで覚えよう。
- 体内水分量減少 → 水溶性薬物の血中濃度が上がりやすい。
- 体脂肪割合の増加 → 脂溶性薬物が蓄積し作用が遷延しやすい。
- 血清アルブミン低下 → 遊離型(活性型)薬物が増える。
- 腎排泄・肝代謝の低下 → 薬物の半減期が延長する。
- 慎重に使うべき薬はベンゾジアゼピン系睡眠薬(転倒・せん妄)、抗コリン薬、非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)。
出典:「第111回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について