第111回 看護師国家試験 午前 問49 解説
📝 問題
幻肢痛について正しいのはどれか。
✅ 正解
4
💡 解説
✅ 幻肢痛は切断し喪失した部位に痛みを感じる現象である。
幻肢痛は、切断して失われた手足(幻肢)が、まだあるかのように痛む現象である。神経障害性疼痛の一つで、切断後に脳や脊髄が変化することが関わるとされる。
痛みが出るのは切断のあとで、術前から起こるものではない。細菌感染が原因でもない(感染すれば創部感染など別の合併症になる)。治療には抗うつ薬や抗てんかん薬、鏡療法(ミラーセラピー)が用いられ、抗うつ薬は禁忌ではなくむしろ有用である。
神経障害性疼痛とは
神経そのものの傷や、痛みを伝える仕組みの乱れで起こる痛み。しびれるような、焼けるような痛みと表現されることが多い。
ミラーセラピーとは
鏡に映した健側の手足を、失った側が動いているように見せる訓練。脳の混乱をやわらげ、幻肢痛を軽くする。
- 1
術前から発症する。不正解
幻肢痛は切断後に発症するもので、術前から発症するものではない。
- 2
抗うつ薬は禁忌である。不正解
抗うつ薬は幻肢痛の治療に有用で、禁忌ではない。
- 3
細菌感染が原因である。不正解
細菌感染は原因ではない。感染は創部感染など別の合併症である。
- 4
切断し喪失した部位に生じる。正解
幻肢痛は切断し喪失した部位に痛みを感じる神経障害性疼痛である。
📚 混同しやすいので注意
切断後の痛みは、幻肢・幻肢痛・断端痛を入れ替えて問われる。「感覚だけか」「無いはずの部位が痛むか」「残った断端が痛むか」で見分けよう。
- 幻肢=失った部位がまだあるように感じる感覚そのもの。痛みを伴わないことも多い。
- 断端痛=残った断端そのものの痛みで、神経腫・血流障害・義肢の不適合などが原因になる。
- 薬物は抗うつ薬・抗てんかん薬(プレガバリンなど)が用いられ、通常の鎮痛薬は効きにくい。
- 断端管理では弾性包帯による断端形成、関節拘縮の予防、良肢位の保持が重要。
出典:「第111回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について