第111回 看護師国家試験 午前 問45 解説
📝 問題
慢性膵炎患者の食事療法で制限が必要なのはどれか。
✅ 正解
4
💡 解説
✅ 慢性膵炎ではアルコールの制限が必要である。
慢性膵炎の最大の原因はアルコールで、飲酒を続けると膵臓の炎症が悪化し、急な増悪や膵機能の低下を招く。 食事療法と生活指導の柱は断酒である。
代償期には膵臓への刺激を抑えるため脂質制限も行うが、非代償期は消化吸収障害で栄養が足りなくなるため、制限しすぎずに消化酵素薬を併用して栄養をとる。 蛋白質・カリウム・食物繊維は、慢性膵炎で一律に制限する栄養素ではない。
代償期とは
膵臓の働きがまだ保たれている時期。働きが落ちて消化吸収障害や糖尿病が出てくると非代償期という。
- 1
蛋白質不正解
蛋白質は慢性膵炎で一律に制限する栄養素ではなく、栄養状態に応じて調整する。
- 2
カリウム不正解
カリウム制限は腎不全などで必要となるもので、慢性膵炎の主眼ではない。
- 3
食物繊維不正解
食物繊維は慢性膵炎で制限が必要な栄養素ではない。
- 4
アルコール正解
アルコールは慢性膵炎の主因で炎症を増悪させるため、断酒が必要である。
📚 混同しやすいので注意
慢性膵炎は、代償期と非代償期のどちらの話かを入れ替えて問われる。時期ごとに「何が前面に出るか」を対にして覚えよう。
- 代償期は腹痛が中心で、禁酒・禁煙・脂肪制限と鎮痛が柱になる。
- 非代償期は腹痛がむしろ軽くなり、脂肪便・体重減少と膵性糖尿病が前面に出る。
- 膵外分泌不全には消化酵素薬を食直後(食中)に服用し、脂溶性ビタミンの不足にも注意する。
- 画像で膵の石灰化・膵石がみられるのが慢性膵炎の特徴的所見。
出典:「第111回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について