第111回 看護師国家試験 午前 問38 解説
📝 問題
臥床患者の体位変換とボディメカニクスの原則との組合せで正しいのはどれか。
✅ 正解
1
💡 解説
✅ 仰臥位から側臥位への体位変換はトルクの原理を応用する。
仰臥位から側臥位への体位変換では、患者の膝を立てて腕を組ませ、身体を一つの塊にまとめてから肩と腰に手を当てて回す。物を回そうとする力(トルク=回転力)を使う動きで、トルクの原理との組合せが正しい。 体を小さくまとめるほど、小さな力で回せる。
ほかの3つは組合せが合わない。長座位への起き上がりでは、摩擦力はむしろ減らすもので、利用する原理ではない。ベッドの片側や頭側への水平移動は体をまっすぐ滑らせる動きなので、回転にかかわる力のモーメントやてこの原理では説明できない。
力のモーメントとは
物を回そうとする力の大きさ。支点から遠いところに力を加えるほど大きくなるので、患者に近づくほど小さな力ですむ。
- 1
仰臥位から側臥位 ─ トルクの原理正解
側臥位への回転は身体をまとめて回すトルク(回転力)の原理を応用しており正しい。
- 2
仰臥位から長座位 ─ 摩擦力不正解
仰臥位から長座位への起き上がりを摩擦力で説明するのは適切でない。
- 3
ベッドの片側への水平移動 ─ 力のモーメント不正解
水平移動は主に摩擦の軽減と重心移動を用いるもので、力のモーメントの説明は不適切。
- 4
ベッドの頭部への水平移動 ─ てこの第1種の原理不正解
頭部側への水平移動はてこの第1種の原理を主とするものではなく組合せが不適切。
📚 国試でよく狙われるところ
ボディメカニクスは、原則と実際の動作を入れ替えて問われる。原則ごとに「自分の体をどう使うか」を動作で思い出せるようにしておこう。 ねらいは患者の安全と看護者の腰痛予防の両方である。
- 支持基底面は足を前後・左右に開いて広くとり、重心を低くして安定させる。
- 患者にできるだけ近づくことで重心間距離が縮まり、必要な力が小さくなる。
- 患者の身体は腕を組み膝を立ててコンパクトにまとめると摩擦が減り、小さな力で動かせる。
- 看護者は大きな筋群(下肢・体幹)を使い、身体をねじらない。持ち上げるより水平に滑らせる。
出典:「第111回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について