第110回 看護師国家試験 午後 問77 解説
📝 問題
関節リウマチで起こる主な炎症はどれか。
✅ 正解
1
💡 解説
✅ 関節リウマチで起こる主な炎症は滑膜炎である。
関節リウマチは、自己免疫機序により関節を包む滑膜に慢性の炎症(滑膜炎)が生じる全身性の炎症性疾患である。増殖した滑膜(パンヌス)が軟骨や骨を破壊し、関節の変形や機能障害をきたす。
手指のこわばり(特に朝のこわばり)や左右対称性の多関節炎が特徴で、進行すると尺側偏位やスワンネック変形などがみられる。 血管炎は悪性関節リウマチなどで合併しうるが主病態ではない。骨髄炎は感染症、骨軟骨炎や関節周囲炎は別の病態であり、関節リウマチの主炎症ではない。
滑膜とは
関節を内側から包む薄い膜。関節液をつくって軟骨の動きをなめらかにする。
パンヌスとは
関節リウマチで異常に増えた滑膜が、じゅうたんのように広がったもの。軟骨や骨を内側から削り取る。
- 1
滑膜炎正解
関節リウマチでは自己免疫機序により滑膜に慢性炎症(滑膜炎)が生じ、これが主病態である。
- 2
血管炎不正解
血管炎は悪性関節リウマチなどで合併しうるが、主たる炎症病態ではない。
- 3
骨髄炎不正解
骨髄炎は主に細菌感染による炎症で、関節リウマチの主病態ではない。
- 4
骨軟骨炎不正解
骨軟骨炎は別の病態であり、関節リウマチの主たる炎症ではない。
- 5
関節周囲炎不正解
関節周囲炎は別の病態で、関節リウマチの主炎症は滑膜炎である。
📚 ここも一緒におさえておこう
関節リウマチは、侵される関節・検査値・薬・関節の守り方を入れ替えて問われる。滑膜炎から関節破壊、そして治療と生活の工夫まで1本の線でつながっている。 関節リウマチは滑膜炎から始まり、増殖した滑膜(パンヌス)が軟骨・骨を破壊する。
- 典型症状=1時間以上続く朝のこわばり、手指のMCP・PIP関節や手関節の左右対称性多関節炎
- 遠位指節間関節(DIP関節、指先の関節)は侵されにくい。ここが侵されるのは変形性関節症など
- 検査=リウマトイド因子(RF)、抗CCP抗体(特異度が高い)、CRP・赤沈の上昇
- 薬物治療の中心はメトトレキサート。感染症・骨髄抑制・間質性肺炎に注意し、生物学的製剤では結核の既往を確認する
- 関節保護=大きな関節で支える、自助具の活用、急性期は安静、寛解期は可動域訓練
出典:「第110回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について