第110回 看護師国家試験 午後 問49 解説
📝 問題
認知症高齢者とのコミュニケーションで適切なのはどれか。
✅ 正解
2
💡 解説
✅ 作話があっても話を聞く。
認知症高齢者とのコミュニケーションでは、たとえ作話(記憶の欠落を埋めるための事実と異なる話)があっても、否定・訂正せず本人の話を受け止めて傾聴することが基本である。本人にとってはその話が真実であり、否定は不安や混乱、興奮を招く。
説得しようとすると本人の自尊心を傷つけ抵抗を強める。一度に多くの情報を伝えると理解が追いつかず混乱するため、短く簡潔に伝える。同じ内容を繰り返しても会話を打ち切らず、安心できるよう穏やかに対応することが望ましい。
- 1
説得するように話す。不正解
説得は自尊心を傷つけ抵抗を強めるため適切でない。
- 2
作話があっても話を聞く。正解
作話があっても否定せず傾聴し受け止めることが基本。
- 3
一度に多くの情報を伝える。不正解
一度に多くの情報は混乱を招くため簡潔に伝える。
- 4
同じ内容を繰り返している場合は会話を終了する。不正解
繰り返しに対しても会話を打ち切らず穏やかに対応する。
📚 混同しやすいので注意
認知症の症状は、挙げられた症状が中核症状か行動・心理症状〈BPSD〉かを入れ替えて問われる。脳の障害から必ず生じるのが中核症状、環境や関わり方で現れ方が変わるのがBPSDと、対にして覚えよう。 BPSDはケアによって軽減できる。
- 中核症状=記憶障害・見当識障害・実行機能障害・失語・失行・失認・判断力の低下。
- BPSD=徘徊・興奮・暴力・幻覚・妄想(もの盗られ妄想)・抑うつ・不安・睡眠障害・弄便。
- 関わりの原則=否定しない・急がせない・正面からゆっくり目線を合わせる・一度に一つずつ短く伝える・馴染みの環境と生活リズムを保つ。
- 本人の残された力を活かし、感情や思いに寄り添うパーソン・センタード・ケアが基本。バリデーションや回想法も用いられる。
出典:「第110回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について