第110回 看護師国家試験 午後 問25 解説
📝 問題
巨赤芽球性貧血の原因はどれか。
✅ 正解
2
💡 解説
✅ 巨赤芽球性貧血の原因はビタミンB12欠乏である。
巨赤芽球性貧血は、DNA合成に必要なビタミンB12または葉酸の欠乏によって赤芽球の核成熟が障害され、大型の赤芽球(巨赤芽球)が出現する貧血である。本問で該当するのはビタミンB12欠乏である。
ビタミンB12は胃の壁細胞が分泌する内因子と結合して回腸で吸収されるため、胃切除後や自己免疫性胃炎(悪性貧血)で欠乏しやすい。他のビタミン(A・C・E・K)の欠乏は巨赤芽球性貧血の原因ではない。
内因子とは
胃の壁細胞が出すタンパク。ビタミンB12と結合し、回腸から吸収されるのを助ける。
悪性貧血とは
がんのことではなく、自己免疫で内因子が作れなくなって起こるビタミンB12欠乏の貧血。
- 1
ビタミンA欠乏不正解
ビタミンA欠乏は夜盲症などを起こし、巨赤芽球性貧血の原因ではない。
- 2
ビタミンB12欠乏正解
ビタミンB12欠乏は赤芽球の核成熟障害を起こし巨赤芽球性貧血の原因となる。
- 3
ビタミンC欠乏不正解
ビタミンC欠乏は壊血病を起こすが、巨赤芽球性貧血の原因ではない。
- 4
ビタミンE欠乏不正解
ビタミンE欠乏は溶血性貧血をきたすことがあるが、巨赤芽球性貧血の原因ではない。
- 5
ビタミンK欠乏不正解
ビタミンK欠乏は出血傾向を起こすが、巨赤芽球性貧血とは関係しない。
📚 混同しやすいので注意
貧血は赤血球の大きさ(MCV=平均赤血球容積)で分類して問われる。まず小球性・正球性・大球性のどれかに絞り、そこから原因を思い出すと迷わない。
- ビタミンB12欠乏ではHunter舌炎に加えて四肢のしびれ・深部感覚障害などの神経症状を伴うが、葉酸欠乏では神経症状は原則みられない。
- 胃全摘後の巨赤芽球性貧血は、体内の貯蔵が尽きる数年後に現れる。
- 胃切除後や悪性貧血では口から補っても吸収されないため、ビタミンB12は注射で補充する。
| 貧血 | MCV | 原因・特徴 |
|---|---|---|
| 鉄欠乏性貧血 | 小球性 | 出血・鉄摂取不足。血清フェリチン低下、スプーン状爪(匙状爪)、異食症 |
| 巨赤芽球性貧血 | 大球性 | ビタミンB12・葉酸の欠乏。胃切除後、悪性貧血。舌炎・神経症状 |
| 再生不良性貧血 | 正球性 | 造血幹細胞の障害。汎血球減少(貧血・出血傾向・易感染) |
| 溶血性貧血 | 正球性 | 赤血球の破壊亢進。黄疸・網赤血球増加・LDH上昇・脾腫 |
| 腎性貧血 | 正球性 | エリスロポエチンの産生低下。慢性腎不全に伴う |
出典:「第110回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について