第110回 看護師国家試験 午後 問114 解説
📝 問題
Aさん(35歳、男性)は双極性障害で入院した。入院後2か月、Aさんの状態は落ち着き、退院に向けての準備が進められている。Aさんは、「会社で同僚と言い合いになってこれまでも仕事を変わってきた。そのたびに調子が悪くなって、何度も入院した。家族と言い合いをしたぐらいで近所から苦情があって、嫌になって引っ越した」と看護師に訴えた。 Aさんの退院に向けて連携をとる機関はどれか。
✅ 正解
2
💡 解説
✅ 退院後の地域生活・近隣トラブルへの支援では、保健所と連携する。
Aさんは職場や家族・近隣とのトラブルを繰り返してきた経緯があり、退院後も地域での暮らしを支える後ろ盾が要る。 保健所は地域精神保健の中核機関として、精神障害のある人の相談・訪問指導や関係機関の調整を担っており、退院後の連携先として適切である。
警察と保護観察所は司法・矯正に関わる機関で、Aさんは犯罪や保護観察の対象ではない。 地域活動支援センターは創作活動や交流など日中の居場所を提供する事業所で、地域全体の相談と調整を担う立場ではない。
保健所は精神保健福祉相談や訪問指導を通じて、Aさんが地域に定着していく過程を支える。
保護観察所とは
法務省が置く機関で、保護観察中の人や刑務所を出た人の社会復帰を見守り、指導する。医療観察制度の対象者の生活も支える。
- 1
警察不正解
警察は司法・治安に関わる機関で、退院後の地域生活支援で連携する機関ではない。
- 2
保健所正解
保健所は地域精神保健の中核機関で、相談・訪問・関係機関調整を通じ退院後の地域生活を支える。
- 3
保護観察所不正解
保護観察所は保護観察の対象者を扱う機関で、Aさんは対象ではなく該当しない。
- 4
地域活動支援センター不正解
地域活動支援センターは日中活動の場を提供するが、退院支援の調整の中核機関としては保健所が適切。
📚 混同しやすいので注意
精神保健の機関は、どこが何をするかを入れ替えて問われる。住民に近い第一線が保健所、その保健所を専門的に支えるのが精神保健福祉センターと対で覚えよう。
| 機関 | 役割 |
|---|---|
| 保健所 | 地域精神保健福祉の第一線機関。相談・訪問指導、関係機関の連絡調整、措置入院に関する事務 |
| 精神保健福祉センター | 都道府県・政令指定都市に設置。保健所や関係機関への技術支援、複雑困難な相談、精神医療審査会の事務 |
| 市町村 | 障害福祉サービスの支給決定、自立支援医療や手帳の申請窓口 |
| 地域活動支援センター | 創作的活動・生産活動・交流の場の提供など日中活動の支援 |
出典:「第110回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について